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「 ──── 久々のAちゃん〜・・・ 」
『 重い・・・ 』
約2週間ぶりに会った宇髄くん。
煉獄さんを私に紹介したあたりから
少しずつ会う頻度が減ってきていて。
別にもう不安に思うようなことは無いし
ご自由にどうぞ、って感じなんだけれど。
ぼす、と倒れ込んできたのを受け止めきれず
そのまま玄関で尻もちをついた。
「 あ゙〜、好き。ほんと好き 」
『 急にどうしたの・・・ 』
好き好き言いながら私の首元に顔を埋めて動かない。
「 ずっと男ばっかでむさ苦しいとこにいたから
久々にAちゃんに会ったら可愛すぎて無理 」
『 無理ってなに 』
可愛い可愛い、って
ほんとに愛おしいものでも見るかのような顔で見下ろされて
不覚にも顔が熱くなる。
別に自意識過剰でもなんでもなく、
宇髄くんは私のことが好き。これは確信。
今までの態度からもなんとなく察してたけど、
この前の件があってから
更にこうしてくっついて言葉で伝えてくるようになった。
私の気持ちにもきっと気付いてるだろうし
少女漫画的な言い方をすれば両想い、ってやつ。
付き合ってるのかと聞かれたら返答に困るけど。
『 ッん、・・・ふ・・・ッ 』
ふに、と唇を塞がれる。
いつからだとか正確には覚えてないけど
気付いたらこんな関係になってた。
でも、一定以上は絶対に踏み込んでこない。
キスもするし身体は触るけど、それ以上は絶対に。
別にいいのにな、なんて思いながら
ちょっと煙草の味がするキスを受け入れる。
最初はびっくりしたし怖かったけど
もう慣れて 息継ぎの仕方だって覚えた。
初めて私から舌を絡めたときの嬉しそうな顔が忘れられない。
「 ッは、・・・ぁー腹減った 」
『 ご飯作ってあります 』
「 さすがオレのヨメ♡ 」
これも本気で言ってるわけじゃない。
『 あ、そうだ 』
「 んー? 」
シチューを温め直しながら
伝えなければならないことを思い出して
振り返らないまま、宇髄くんに報告した。
『 来週、おばあちゃん退院できるみたい 』
「 ・・・そっかー、よかったじゃん 」
そう言って私を後ろから思いっきり抱きしめた。
そのあといつもみたいに一緒にご飯食べて
同じベッドで寝て、朝起きて私は学校にいく準備して。
カップルでもないくせに
行ってらっしゃいのキスなんかしたりして。
それが、宇髄くんに会った最後の日。
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れーと - ああもう…最高…素敵な作品ありがとうございます!!!! (9月7日 22時) (レス) @page49 id: f8da97e70e (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - お腹いっぱいです。大満足。ありがとうございました。 (7月16日 19時) (レス) @page49 id: 19510e3ea2 (このIDを非表示/違反報告)
あんころ餅(プロフ) - 神作品過ぎます!!天元様と無事に会えるといいなでも世の中そんな甘くないか…笑 (7月16日 10時) (レス) @page38 id: 235e675cd4 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…🥲💕宇髄さん格好よすぎる! (7月16日 2時) (レス) @page33 id: c33d2aaf12 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - めっちゃ好き……最高。神作。最高すぎる……宇髄さん、カッコよすぎ……好き……ありがとうございます。私は幸せです。 (7月15日 23時) (レス) @page33 id: 19510e3ea2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:檸檬 | 作成日時:2021年3月30日 22時