二十四話 ページ26
gr side
暑い…
…どうして、こういう時に熱をだすんだ？
額に冷たい濡れタオルを、あの黒羊が乗せてくれ薬も飲まされたが…余り効果を感じられない
あの薬は"ポーション"という物だろうか？…
半分雑に飲まされたせいで、噎せてしまった…いや雑だなあの羊
あー…それにしても頭がボーっとする
『彼奴ら…大丈夫だろうか……？』
これまでの、彼奴らと過ごした記憶を遡る
…辛い毎日の中、互いに支えながら、何処かに売られたり買われたり、暴力に耐え、私欲の為にこき使われたりと……散々な目にあってきた
だが彼奴らといたから耐えられた
でも、その毎日を繰り返していたらいけない
いつ何が起こるか分からなければ、いつ命を落とすかも分からない
だから、あの場所から抜け出して、皆の犠牲を払いそれを背負って生きて、生きてまた来世で違う形で出会おうと……そんな事を"希望"に…
脱出の計画は、俺が立てた。
毎日、商人達の行動を記録しながら、時間の調整も合わせて、誰もいない時間帯を狙った
脱出出来る人数にも制限がある。
最初は脚の早い奴が、脱出すると案がでたが、体力もある分、そいつらの意見は反対していた
〈俺は！皆に怪我をさせたくないんだ！
皆は、俺が護るんだ…！〉
……次の案も、その次の案も、合わなかったりそいつ自身の意見を尊重したりで、時間も多く使った
結果、俺と一番最年少のショッピとチーノで脱出する事になった
彼等は、〈あの二人には幸せになってほしい〉なんて言うもので、その案に皆賛成して決まった。でも、きっとあの二人だけは反対する
そしたら…絶対に計画は成功しないだろう
だから、その事は実行日まで二人には隠した
……何かを考えているだけで、頭痛が酷くなってる気がする
それに眠気もしてきた…まだ早い時間の筈なのにな…
＿あの魔女は…俺達を助けてくれるだろうか？
そう考えながら、俺は其の儘、眠りについた。
＿＿＿＿
冷たい筈なのに僅かに感じる温もりが、とても心地よい
頭を優しく撫でて、新しい濡れタオルを乗せてくれる
一体、誰が
薄らと目を開けると、虹色の瞳をもった天使がいた
いや、きっと違うだろう。でも、その言葉が似合う女性だった
その女性は、サイドテーブルの近くで読書をして寛いでいるようだった
………確か、この瞳はあの魔女と…
「ん…？起きたか、今から暖かい食べ物を作らせるから、それまで休んでなさい」
そっと目元に手を添えられ、また眠りにつく
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蠱目(プロフ) - コメント有難うございます、そう言って貰えて嬉しいです！ (2020年8月18日 14時) (
レス) id: 2618b1d51c (このIDを非表示/違反報告)
如月ミーナ！(プロフ) - コメント失礼します！ジンギスカン！って言った時爆笑しましたw (2020年8月12日 7時) (レス) id: b99b51d63e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷぺｿﾞ(プロフ) - すいれんさん» 好きって言っくれた貴方様………ありがとうございます…更新遅めですが、三日に一話を目指して更新するので、良ければまた読みに来て下さい… (2020年8月5日 14時) (レス) id: 2618b1d51c (このIDを非表示/違反報告)
すいれん - 嗚呼...好き (2020年8月3日 16時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
飽きやめ子(プロフ) - 、さん» 申し訳ございません。外していたと勘違いしておりました。教えて頂きありがとうございます (2020年5月21日 11時) (レス) id: 2618b1d51c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蠱目 | 作成日時：2020年5月21日 1時
