36 関係性 ページ36
歳を重ねるごとに
時を刻む感覚がどんどん早まって
小さい頃は、1日が長いなあ。と
感じていたのに
いつからだろうね、
もう今日が終わっちゃう。
なんて思い始めたのは
今だってほら、あっという間に
時間が経ってた。
そういえば、前に
言われたっけ？
何言ってんの、これから
もっともっと早くなるんだから。笑
そんなのは、まだ早いうちに入らないわよ。笑
そんな、大学生の頃に言われた
お母さんの言葉を
ふと思い出し、
ふふっと笑ってしまい
レジ前でおじいさんを一緒に
並んで待っている
隣の翔さんが
体を、ビクッ！と震わせて
「急に、どうしたのっ」
と、驚かせてしまった。笑
しばらくして、
待たせて、ごめんなさいねえ。
と、来たのは
私達が待っていたおじいさんではなく
薄いピンク色の
ニットのカーディガンを羽織った
小柄な、おばあさん。
「あの人、今手が離せないみたいなの。」
少し、眉毛を下げ
微笑みながら
ゆっくりと
レジを打っていく・・・
「久しぶり」
「お久しぶりねえ。」
2人の顔を横で
ただただ、邪魔をしないよう黙って
見ていた私は
おじいさんの時もそうだけど、
その表情だけで
翔さんが
信頼している、
安心できる、
人達なんだなと
強く思う。
「今日は随分と可愛らしい子を連れてるのね」
そう言った後、
私を見たおばあさんは
初めまして。
と優しく微笑み会釈をして頂き
2人の光景を
なんだか、微笑ましく見ていた
私は
慌てて、頭をぺこりと下げた。
37 寒いって、ほっこり。→←35 キラキラくんとハテナちゃん。
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作者名：希生 | 作成日時：2014年2月11日 18時
