＊LOVE IS BLIND＊【Sakurai.Sho】 (ページ34)

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34 不機嫌な王子様はページ34

「Aちゃんは料理、しないの？」

お腹が少しずつ満たされてきた時、

口一杯に頬張りながら
尋ねてきた、

突然の問いに

「これでも私、料理は得意ですよ？」

と、数少ない
私の得意事を

腰に手を当て、
人差し指で鼻をこすり、

えっへん！

と言わんばかりの顔で答えると

「今度、作ってよ」

と、純粋な目で真っ直ぐと見つめられ
想定外の反撃を食らった。

「すっげえ、食べたい。笑」

歯を見せながら無邪気に笑い、

ダメ？

と、大きな目で可愛くおねだりする。

その、表情・・・

きっと
反則。

「断れないのわかってて言ってますよね」

「あれ？バレてた？笑」

私の心を救ってくれた
救世主に

断れる理由なんて無くて

悩みに悩んで、
出た答えは

「じゃあ！来週、
二宮さんと櫻井さんに

御礼として、振舞います！」

さっきの二宮さんからの、

呑まない？

という
メッセージを思い出し

正直、二宮さんと二人きりは
さっきの無理やり事件もあり恐怖を感じ、笑

でも、二人に御礼したいのは事実で。

自分で言うのはアレだけど、

なかなか良い案だと

我ながらよく思い出したなと

褒めてあげたい。笑

そのまま
笑顔で彼の顔を覗いてみると、

私とは反対に、

なぜか、少し不服そうで
頭の上に

ハテナマークだけが浮遊する。

「・・・ニノも？」

という
小さな小さな、翔さんの

呟き程度の独り言は

私には聞こえてなんか無くて、

キラキラと光りながら
不服そうな顔した彼は、

また、口いっぱいに
食べ物を詰め込んだ。