25 いと、おかし ページ25
「ははっ、照れた。」
そんなこと言われると、顔なんてまともに見れなくて
照れた。の言葉のせいで
顔が熱い。
「い、いじわるですねっ。」
「暗い顔、してたから・・・かな？」
次は違う意味でドキリとさせられた私。
一瞬で、顔の熱さはどこかへ飛んで行ってしまった
正直、二宮さんと別れ1人になった途端
泣きそうになっていたのは事実で
バタン、と閉ざされた扉を背に
今日の出来事を思い出していた事も事実
「人間、生きてたら色々あるもんですね。」
スーーッと風が吹きつけ
冬の冷たさが襲う
服からも感じる冷気が
より一層、寒さを強調させる
「なんか、あった？」
「なんか、あった・・・ぽいかな？」
ふふふっ、と笑って見せて
見せるけど、
翔さんの顔は真剣な顔してて
あ、この人
真面目な顔できるじゃん
と、私の中のゲラなイメージが変わった瞬間。
「大丈夫ですよ？私は。いつもの事ですから。」
私が見て見ぬフリさえすれば、
私がそんな事実、忘れてしまえば
済む話なんだから。
だけど、私だって人間だ
人間だからこそ、良いことはすぐに忘れて
悪いことだけはずっと記憶の片隅に保存されてて
ずっと、ずっと、ずっと
記憶に残るのかな。
「大丈夫そうな顔してないじゃん。今にも泣きそうだけど？」
「時間の、問題で、すよ。」
うまく言えないから、
よりいっそうおかしな事に
翔さんは少しの時間
眉間にシワを寄せながら目を閉じた後
あ、と突然目が開き
何かを思いついたみたいで
「来て？」
その瞬間、本日2度目の予想外。
パッと右腕を掴まれ、そのまま
エレベーターの方へと
来た道を戻りだす翔さん
「え！？あ、ちょっと！！」
私の言葉になんか
耳を貸さず
器用にどこかに電話をかけ出し
「ニノ？ごめん、今日行けねぇわ。」
エレベーター前に着き
携帯をポッケにしまい
下への矢印ボタンを押す。
右腕はしっかりと掴まれたままで・・・
二宮さんに続いて
次は、翔さんとエレベーター
に乗る事になった模様。
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作者名：希生 | 作成日時：2014年2月11日 18時
