バレンタインの前日 続き ページ11
ーなつめ目線ー
なつめ「何してんの…？」
思わず俺はそう聞いてしまった。
するとはるたが口を開いた。
はるた「実は…、マカロンを作ってるんだ。」
なつめ「えっ、これが…？」
この、どす黒い溶岩の塊みたいなものが？何をしたらそうなるんだ…？
なつめ「えー…っと、とりあえず二人は喧嘩をやめて。もう少し簡単なものを作ろう。」
作っているのが今日で良かったという安心と、本当にこれはマカロンか…？という混乱と、マカロンの意味(マカロンの意味：あなたは特別)に軽く尊死する感情で頭がぐちゃぐちゃになりながらも、俺は結構冷静にそう言った。
なつめ「市販のチョコをこの型で固めて、それにトッピングしよう。」
ともや「えぇ〜…でも…。」
はは〜ん。マカロンの提案をしたのはともやだな。そしてともやはマカロンの意味を分かってる。
その証拠に俺の提案に納得がいってない。正直言って俺も出来る事ならマカロンを作るのには大賛成したいが、あいにく俺はマカロンの作り方が分からない。
なつめ「失敗したらどっちみち渡せないでしょ。」
ともや「うん…。分かった…。」
なつめ「あ、せっかくだからあさひも誘おうよ。仲間はずれにしたら多分拗ねるし。」
はるた「そうだね。俺、あさひ呼んでくる！」
少し無理やりともやを納得させて、俺たちのチョコ作りが始まった。
はぁ…なんとかできた…。ともやとまなとの不器用っぷりには呆れたけど、上手くまとめることが出来て良かった。
それにしてもともや以外が「作ったのはいいものの誰に渡そう…？」って言いだしたときは驚いたけど、お前らの相方以外に渡したら俺が許さないから。まぁ本当に何とかなって良かった。
そんな事を考えながら失敗作のチョコを頬張る。午前０時。焦げ付いたマカロンとチョコレートはほんの少し苦かった。
いおり「あれ…？なつめ、まだ起きてたのぉ…？」
なつめ「お、いおり。こんな時間に起きるなんて珍しいな。」
いおり「うん。ちょっと目が覚めちゃって。何食べてるの？」
そう言われた途端、俺は少し考えた。「チョコだよ」と言ってしまっていいのだろうか。一応、みんなには渡すまで内緒にしててって言われている。今日は2月14日。こんな日にチョコなんて…察してしまうだろうか。まぁ、いおりだし大丈夫か。
なつめ「…チョコ。」
いおり「いいなー。僕も食べるー！」
そう言って無邪気に笑ういおりを見て思った。俺のチョコ、いおりに渡してしまっていいんじゃないか。そうすれば、合法だ。
そう思い、俺はいおりにラッピングされた袋を渡した。
中のハート型のチョコが、恋の合図に見えた。
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🪿 - 読み返してみたら尊さがえぐ過ぎました、、、 (5月2日 17時) (
レス) @page5 id: 658bacf4e6 (このIDを非表示/違反報告)
桃色さん - 🪁さん» ありがとうございます！次回も頑張りますね！ (2月3日 15時) (レス) id: 29370e54ea (このIDを非表示/違反報告)
🪁 - 続き楽しみにしてますね‼︎ (2月2日 19時) (レス) @page5 id: dd9e1cfbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃色さん | 作成日時：2024年2月1日 16時
