幼馴染みに彼女が出来たらしい【さとみ】

迷ってから7秒目 ページ17

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『ヤバい、さっきよりもっと透けてる…いそがなきゃ』



ころん君から別れた後、さとみ君を探すため走っているけれど、まったく見つからない



しかも同じところを迷路のように何回も走っているように感じてくる



『…あれ』



どこからかすすり泣くような声が聞こえる



でもそれはさとみ君じゃない



『桜子ちゃん…？』



「Aちゃっ…あ、あのね」



『う、うん』



壁の後ろに行くとぐちゃぐちゃに泣いた桜子ちゃんがいた



この子にも会わなきゃいけなかったのかな



「さ、さとみ君っ…いや、里未くんに告白したら振られたのっ……」



里未…？



一応私はゲームの世界にいるので字幕が出る



『え…そうだ…さ、さとみくんは何処にいるの！？』



「知らないよっ…元の世界にでも帰ったんじゃない？て言うか知ってても会わせないよ」



『え…』



悪女落ちのゲームなのだろうか



桜子ちゃんの目は涙と一緒になっているけれど真っ黒で変に笑っている



『い、意味分かんないよ…良いじゃん話すぐらい…』







「嫌だ…



嫌だ嫌だっ！やっと、やっと救われて好きになれて愛せた人が居たのに！出来たのに！そんな人まで取られなきゃいけないのつ！？知らないよ！私は！？私は！？私はどうしたら良いのっ！？」



{知らないっ！知らないよ！私なんてどうでも良いでしょ！？嫌いでしょ！？邪魔でしょ！？何で！？好きになったらいけないの！？知らないよ！決まりなんて無いでしょっ！？}



「私の幸せを取らないでっ！消えなくちゃいけないじゃん！私は一人だよ？嫌だよ！怖いよ！昔みたいに戻りたいっ…」



{消えてって！？シネば良いの！？一人…何でっ…何で私はこんな目にあわなきゃいけないの！？理想と現実は違うことぐらい知ってるよ！もう、良いよ…}









誰だって何時かは気付く



理想と現実は違う事を



それを噛んで苦しんで歩いて進むのが人生だと言う人もいる



それを耐えきれ無かった人は命を落とす事も多くある



そんな現実から逃げたかった



怖くて寂しくて辛くて痛くて苦しくて



誰だって感じている一つやニつ



そんな物がある人生を



現実を



君はどう生きた？



どう生きる？









END

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