青空に溶ける君【完結】

03.の ページ5

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「…まだ同意する気はないか？」

「…んー…」

「…」

「あ、見てください！ドクターヘリ飛んでます！」

「…話を逸らすな」









今日は外に出ていったAを追いかけて、
今は一緒に外のベンチで座ってた。









「ドクターヘリ、私近くで見たことあるんです。1度だけ、何年も前なんですけど」

「…お前が運ばれたか？」

「…私、保育園の先生なんです。遠足で大きい公園に行って…私が目を離した時に、高い滑り台の上から子どもが落ちちゃって…その子、意識なくして顔色悪くて…そしたら、ドクターヘリが来たんです」

「…それで？」

「それで…助けてくれました。ほんとに、その時の姿がかっこよくて…それまですごく心配してたけど…その時、すごく安心しました」

「…そうか」

「ここの病院の先生なんですよ？」









いつの間にかAのペースに乗せられていて、
Aの話が少し気になってきていた。









「あの時の先生の名前、ずっと覚えてます」

「…俺の同期かもな」









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「──藍沢先生です」









・









Aは笑いながら、俺に目を合わせてきた。









きっと、その時──
俺の心はAに奪われたんだと思う。









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