青空に溶ける君【完結】

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Aの目は結局1日開くことはなくて
次の日を迎えていた。









まるで癖のようにAの病室を通っては
少しAの顔を覗いて出ていく。









…自分でも、気持ち悪いとは思う。









でもそれくらい
Aのことが気になって…心配だった。









窓の外を見ると──今日も青空。









一昨日まで数日の間天気が崩れていたのに、
昨日から…Aが来た日から、窓の外は快晴で、青空が広がっている。









…そういえば、Aの検診のときも
必ず天気がよかった記憶がある。









俺が見るAの背景には、いつも青い空が広がっていて
目を逸らせば…空に溶け込んで掴めなくなりそうな気がした。









しばらくして、少し出来た空き時間に
Aの病室に入ると──









Aの目が、うっすらと開いていた。









久しぶりだからなのか、妙に緊張して、
今までのようにすぐに声をかけられない。








僅かに目を逸らすと、Aの方から声を出した。









「……藍沢先生…？」









少し掠れたAの声。









久しぶりに聞いたその声は、俺の鼓膜を優しく揺らした。









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