青空に溶ける君【完結】

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病室の前の壁のプレートに、
『彩坂A』と書かれたカードが入っていて、









それを見ただけで、
1年前のAとの時間を思い出して、あの時に戻った気がした。









病室のベッドの上には、あの時と同じように
ベッドで目を瞑っているAがいた。









──だけど、Aとの再会を素直に喜べなかった。









こんなの…喜べるわけがない。









眠る懐かしいAの髪を避けてから、
病室を出ると、廊下で新海に声をかけられた。









「Aさん、救急車で運ばれたんだって？」

「…ああ。今はもう落ち着いてる」








俺がそう言うと、新海の目線は…
俺の手元のカルテに移っていた。









新海が少し目を細めて、カルテを見てくる。
そのカルテを見た…新海の顔が変わった。









俺の持っているカルテは、Aのもの。









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彩坂A

病名_______________膠芽腫(こうがしゅ)









・









「…Aさん、まさか」

「……ああ。────再発だ」









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