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16.た ページ18

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俺は自分から約束を破って、
Aとまともに顔を合わせないまま1週間が経っていた。









Aの経過チェックは、
悪いとは思いながら新海に任せて









Aから──逃げていた。









「藍沢、Aさん会いたがってたよ」

「…そうか」

「なに患者から逃げてるんだよ。元々リスクの高いオペだったし、藍沢の腕のせいじゃないだろ。他のやつがやってたら、もっと重い後遺症が残っていたかもしれないんだ。…それに、Aさんは…お前のことを責めてなかった」









元々リスクの高いオペだって、分かってた。









だけど…俺がもっと腕のいい名医だったら、









Aの泣き顔なんてきっと知らないままで、
Aに哀しい思いなんてさせなかった。









…全部、俺のせいなんだ。



















その日の夜中、俺はAの病室に向かっていた。









多分…Aはもう寝てる。
寝てる間だけは、Aをちゃんと見れる気がした。









Aのベッドの隣に、小さいイスを持ってきて、
Aの額を、包帯の上からそっと撫でた。









少し顔を近付けると、その瞬間──開かれた目。









「…寝てると思いましたか?…実は、寝てませんでした」









少し悪戯(イタズラ)っぽくAは笑って
横になったまま、俺の方を向いた。









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萌娜(プロフ) - 杏奈さん» コメントありがとうございます(*^^*)そう言っていただけてなによりです...!最後まで読んで下さりありがとうございました(^0^) (2018年12月7日 20時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - ほんとに涙が止まりませんでした、素晴らしい作品ほんとにありがとうございました! (2018年12月7日 1時) (レス) id: 2026ba0fc9 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - こっちゃんさん» 遅くなって申し訳ありませんでした。ご指摘ありがとうございました(*^^*) (2018年7月29日 1時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん - 『再会』の『会』の字が『開』になってますよ (2018年5月2日 16時) (レス) id: 4345401185 (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - 優さん» 何度もコメントありがとうございます(*^^*)身体のことまでお気遣い、とても嬉しいです(><)優さんも、風邪にはお気をつけて(^0^) (2018年2月6日 19時) (レス) id: 3c9022af09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萌娜 | 作成日時:2017年11月5日 16時

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