量 産 型 ぽ た く 【 うらたぬき 】

とぅえんてぃつー ページ23

｢...で？Aちゃん。｣

にっこり笑ってこっちを見るうらたさん。かっこかわいいけどなんか怖い。

｢は、はい。｣

｢ナンパされたってどういうこと？｣

｢え、っと、じっとしてたら話しかけられて...｣

｢抵抗した？｣

｢しました...でも全然だめで｣

｢どうせ誰と待ち合わせ？って聞かれたでしょ？なんて答えたの？｣

｢それは...｣

さすがに好きな人とは言えないし。どうしよう。


｢...あのさ。｣
｢そういうときは違っても彼氏とか答えて。俺が心配なの。｣

｢え、でも...｣

｢いいから！それに、ゆくゆくは...｣

何か言ったけれど上手く聞こえない。

｢うらたさん、今なんて言いました？｣

｢いいの！秘密！Aは気にしないで！！｣
｢ほら行くよ！｣

｢は、はい...？｣

うらたさんに連れられて、都内を歩き出した。


━━━━━━━━━━━━━━━

ねえ！この服かわいくない！？

女の子のようなテンションで服を見るうらたさんをしっかりと目に焼きつける。もう二度と見られないかもしれないし。

絶対A似合うよ！着て！！

ええ、うらたさんの言うことならなんでも聞きますよ。大天使だもんねうらたさん。好きです。


｢...え？｣

｢なに？｣

｢ちょ、ちょっと待ってください。これ私が着るんですか！？｣

｢...？うん、当たり前じゃん。俺が着るの？｣

至極当然のような顔でこちらをしれっと見つめるうらたさん。かわいい。
...いや！我に返るな自分！！かわいいけどね！？かわいいなんて言ってる場合じゃない！

｢い、いえ...いやその、私には似合わない...から......！｣

｢ええ、絶対似合うって！｣

だってだって。今うらたさんが持っているのは、割と体のラインが出る白のトップスだ。

かわいい、とーってもかわいい。いやそれはわかってるんだけど。

｢わ、私っ...！体のラインが出る服は！！｣

｢ええ、なんで！全然太ってないし、平気だって！ほら！！｣

ぐいぐいと押し付けられて、気がつけば試着室の中。やられた。

ここまで来たらもう後には引けないので、のそのそと服を着た。

とぅえんてぃすりー→←とぅえんてぃわん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す