～花冷えの時～【SYО】 (ページ12)

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梅雨２ページ12

「うん。ぼくは一年生。きみも一年生？」

きっと、”ぼくは一年生だよ。Aちゃんも一年生なんだ！いっしょだね”

翔が普通にしゃべれたらこういう風になるだろう。

「…しょお、ちゃん」

「え…」

ふいにAちゃんの表情が変わった。警戒心がなくなって、小学生の顔つきになった。

「翔ちゃん、ウサギ組さんへようこそ。仲良くしてくださいね」

神夜ちゃんが二人の頭をぽんと撫でる。

Aちゃんが翔のほっぺにキスをおとすのを確認して、神夜ちゃんは

「さあ、お遊戯でもしよっか！お月様のダンスだよー」

え？ちょ、おいおいおい。

ここに一人おいてきぼりくってるぼくがいるんですけど！？

「Aちゃんのお母さん、ネコだったから。ゆるしてあげてね」

「はあ！？」

ネコ？？いや、わかんないけど…まあ、いっかＷ

「ウサギ組の活動は、週３プラス土日です。来たいときに来所してください。

イベントは、春にピクニックと卒業会。夏に海水浴と花火大会、秋に体育祭と林間合宿。

冬にクリスマスパーティとお正月会があります。

それから、毎月第３水曜日に保護者の「虹の会」小中学校の長期休暇期間に

ホスピタル(医療センター)でのお遊戯発表がありますがいずれも出席は自由です。

あ、毎月クッキング教室があるので、こちらのほうは参加希望の場合事前に申し込んでください。

材料の関係がありますので。

小学校復帰したい場合は給食センターに連絡をした後にいつでも復帰できます。

ひまわりハウスにはお弁当を持参してくださいね。…えーと、何か質問等は？」

「あ、大丈夫ですー！ありがとうございました」

…歌玖夜ちゃんの説明では不十分すぎて事務室に聞きにいったんだけど…

まさか、説明に３０分も(しかも向こうが主にしゃべりっぱなし)かかるとは…。

まあ、これにて、翔は以前の元気を取り戻して学業復帰できたわけだ。

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このとき…まさか。志都くんの身体を病魔が蝕み始めていたとは知る余地もなかった。