【完結】愛しき実験ハムスター〈２〉【名探偵コナン】

愛してください６１ ページ18

安室side




安室「すみません、Aを迎えに来ました。」

沖矢「ちょうど寝たところですよ。」


中にはいると、ソファーの上で眠るAの姿が見えた。

その上にかけてある上着を自分のものと変える。


沖矢「これ、Aさんと一緒に作ったんです。」


箱の中には可愛らしくデコレーションされたホールケーキが入っていた。

作っている所を想像すると、さっきまでの苛立ちが嘘のように消えてなくなる。


安室「ありがとうございました、では。」


抱き上げて車に向かっていると、門のところに人形が置かれていた。

思わず目を見開く。

人形は俺と沖矢さんの２体、それもよく似たつくり。


それと共に置かれていた見覚えのある紙。


沖矢「Mensch klonen(クローン人間)、ですか。」

安室「．．．」


辺りに気配がないのを確認しつつ人形を観察する。

風にさらされた人形はみるみる溶けていき、５分後には跡形もなく消えた。


コナン「沖矢さん！安室さん！」

安室「コナン君？」


焦った形相でこちらに駆けてきた少年は、沖矢さんが持っている紙をみて声をあげた。

コナン「これ、蘭の家の前にもあったんだ！」



同じく消えた人形と共に置かれていた紙にはTaktische Aufklärung(戦術偵察)と書かれていた。


沖矢「これにどんな意味が．．．」


解けない謎が立ち塞がるなか、何も知らない少女は健やかな寝息をたてていた。

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