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愛してください88 ページ45

降谷side





突然塔が爆発した。

急いで拳銃を下ろしてかける。

窓から飛び降りる一人の少女をこの手に抱き止めるために。


コナン「A!」


声を上げたコナン君よりも早く両手を広げると、落下してくるA受け止めた。

どっと腕に掛かった衝撃を堪える。

受け止めたと確信できると、息をついてAの顔を見下ろした。


降谷「大丈夫か?」

『うん!』


Aは地に足を下ろすと、ゆっくり確かな足取りでサリトスの元へ向かう。


『サリトス』


静かな呼びかけに、サリトスは閉じていた目を開いた。

発信器片手に駆けつけた赤井に支えられながら起き上がる。


胸から血を流していたが、急所ははずれていた。


『私を作ってくれてありがとう。』

サリトス「!!」


浮かんだ驚愕の表情。


サリトス「何言ってるの?オレはAを作って、利用したんだよ?」

『作ってくれたから、大好きな皆に会えた。だからありがとう!』



言葉だけなら、綺麗事と吐き捨てたかも知れない。

だが、純粋無垢なAの穢れなき笑顔と共に紡がれたその言葉は、サリトスの胸に深く刺さった。



サリトス「えっ...?な、んで...」



深紅の瞳から頬へと、雫がつたった。

サリトスから戸惑いの声が上がる。



降谷「本当に感情を知らなかったのは、サリトスの方だったのか...」



燃えさかる建物。

さざ波の響く海。

何処からかサイレンの音がするなか、赤井に抱えられながらサリトスはただただ涙を流した。


その日をもってサリトスとAの謎が明らかとなり、世界が滅ぶウイルスもデータごと消滅。

そして建物が爆発したことにより、組織の極秘データが公安、降谷の部下である風見のパソコンへと送信された。

声にならない小さな悲鳴が上がったのは、言うまでも無い。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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壟薇 - とても面白かったです! (2019年10月31日 23時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀ノ神(≧▽≦)ニコニコ☆(プロフ) - 桜桃さん» まだ話数は残っているので、私生活が落ち着く4月辺りに書かせていただきます! (2019年3月21日 22時) (レス) id: af93cfbf76 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃 - 番外編的なものありませんか〜? (2019年3月21日 12時) (レス) id: 100c264cb2 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀ノ神(≧▽≦)ニコニコ☆(プロフ) - マカロニマカロンさん» ありがとうございます!次も楽しんで貰えるように頑張ります!! (2019年3月19日 21時) (レス) id: af93cfbf76 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニマカロン(プロフ) - 完結おめでとうございますー!!本当に好きな作品だったので、嬉しくもあり、さみしくもあります……!!これからも応援しています!!!次回作が楽しみです♪ (2019年3月19日 21時) (レス) id: a1aedb0d86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀ノ神 | 作成日時:2018年6月2日 8時

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