愛しき実験ハムスター【名探偵コナン】

愛してください１０ ページ10

Aside




目を覚まして
一番最初にみた人は女性だった。


シェリー「A、貴方の事よ。」


ア．．ナタ、ノ、コ．．．ト、ヨ？



私の反応をみて、女性は
はぁ、と息をついた。





*




*




シェリー「海」

『ぅ、み』



シェリー「鳥」

『とぉ、り』



毎日のようにされる注射。
それと共に《お勉強》をした。



顔を分けてあげるパンや、物を使って助ける青色狸＿＿猫。




そこで見た、
優しく頭を撫でてもらう子、
抱きしめてもらっている子。



してほしい。


怒られた後にある優しさって何？
雨の後に繋いだ手の温もりって何？



知らない。
分からない。




してほしい。

でも、何て言えばいい？




結局、言えないままでシェリーはいなくなった。
来なくなってしまった。



次に来た人は、いい香りがする。
でも、知らない香り。
いつものじゃない。


ベルモット「シェリーは死んだわ。」

『し、ん．．．だ？』



《シェ．．．リー、死ぬ、って．．何？》

《いなくなる事。》

《い、なく．．な、る？》

《．．．もう、２度と会えないのよ。》




会えない？
これから、ずっと？



『ぃや、だぁ．．．や．．．』

ベルモット「だから変わりに来たの。
　 ベルモット、そう呼んで。」



まるで、シェリーを忘れろと言われているようで、
嫌だった。
なのに優しい言葉で話すから、
優しいのか意地悪なのか。




分からないよ。




ただひとつ分かるのは、
シェリーがもう来てくれないという事。

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