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愛してください14 ページ14

Aside




バーボン「A、僕の事は...ここでは透と呼んで下さい。」

『とー、る?』

安室「はい。」




口にすると、嬉しそうに微笑まれた。
自分に向けられる《喜び》は、
まだ慣れない感覚。


少しだけ違和感。




安室「では、そろそろいただきましょうか?」


透は私の頭をなで、目の前にお皿を置いた。

美味しそうな物が沢山ならぶ。




シェリーに教えてもらった作法で口にする。



なつかしい。



シェリーもたまに、こんな風に用意してくれた事があった。
その時に教えてもらった食べ方。





『...おい..し、い..!』



ほとんど使ったことのない舌で、あまり口にしない言葉を伝える。




あの時は伝えられなかったから。
いなくなったあとに、覚えた言葉だから。


悲しさをまぎらわせるために、次々口に運ぶ。

おいしい、それさえも伝えられなかったから。









食べ過ぎたとはこういうことだろうか。


初めて感じるお腹の圧迫感。
それにつられて睡魔が襲ってきた。




朦朧とする意識のなか、


「...はぁ?」

「そっちでなんとかならないのか?」

「風見、手短に状況を伝えろ。」

「すぐ行く。」


知ってるのに知らない声が聞こえた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
降谷side




ここは安室透として借りている家。
取り敢えずは透と呼ばせることにした。

『とー、る?』

子供に名前を呼ばれる父親の気分だ。



つたない作法で食事をし、
上手くろれつの回っていない舌で感想を述べるハムスター。

食べ終わったかと思えば、
今度はうつらうつらと眠たそうにしている。



本当に自由な子供。



寝たらベッドまで運んでやろうと考えながら観察する。

そんなとき、仕事用の携帯がなった。


仕方なくスーツに着替える。
Aをベッドに運び、いってきますと家を出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Aside




目を開けると、空はもう薄暗くなっていた。
それにつられて部屋も暗い。



『とーる?』



返事はない。



『..とーるっ..!』



部屋はいつも明るかった。
シェリーがそうしてくれた、一人でも平気なように。
僅かな光で手前が少し見えるだけ。
奥は暗闇。



『__っ__ひぅ_!!』



声にならない悲鳴は、暗闇へと溶けていった。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:恋愛
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琥珀ノ神(≧▽≦)ニコニコ☆(プロフ) - アオさん» アオさんが指摘しなくてもいいように頑張ります!少しでも違和感なしに楽しんでもらいたいので(≧▽≦)! (2018年5月25日 23時) (レス) id: dd05666278 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - こちらこそ、指摘ばかりですみません!でも、面白いのは、本当ですよ。 (2018年5月25日 23時) (レス) id: 82f5449f8d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀ノ神(≧▽≦)ニコニコ☆(プロフ) - アオさん» すぐに直します!指摘ばかりさせてしまい、すみません! (2018年5月25日 19時) (レス) id: dd05666278 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 39話の「帰り血」は、「返り血」ですよ。 (2018年5月25日 17時) (レス) id: 82f5449f8d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀ノ神(≧▽≦)ニコニコ☆(プロフ) - 見させていただきましたっ!合法ロリ...確かにその通りですね(≧▽≦)!ツボにはまっていただけて良かったです! (2018年5月24日 6時) (レス) id: dd05666278 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀ノ神 | 作成日時:2018年4月17日 19時

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