愛しき実験ハムスター【名探偵コナン】

愛してください１２ ページ12

ベルモットside




仕事に一段落ついたときだった。


ジン「これからハムスターを殺る。」

ベルモット「そ、時間かかったのね。」



シェリーが罠を仕掛けていないか等を調べるのに、
だいぶ苦労したらしい。
普段なら３分なのに、１時間。
ジンを含め、幹部はほぼ疲労していた．．．と思う。


気を使ったつもりはない。
ただ暇だったのだ。



ベルモット「私が殺るわ。」



そう言ったのは暇潰し。
それだけだった。





*





ハムスターはシェリーの部屋のすぐ隣にあった。
余程、気にかけていたのだろう。
自分のテリトリーには人を近づけたがらないシェリーが
たかだかハムスターをすぐそばに置いたのだ。



ベルモット「少しだけ、興味が出てきたわね。」



そう呟いて、ハムスターの資料をさがして目を通す。
大事な書類とまとめるほどにご執心、と。





*




上手く言えないが、
私はこの資料を見て同情した。



憐れんだ。

可哀想だ、と。





憐れなハムスター。
一旦どんな顔をしているのかしら？




『と、り！』



ベルモット「？！」




写真を指差しながら、
にこにこと言葉をはっするハムスター。



『シェ．．リー、誉めて、くれ．．る．．．かな？』



拙い言葉から伝わるシェリーへの信頼。
明るい笑顔から伝わるシェリーへの愛。



長い間、見ていなかった
純粋無垢な笑顔。









ベルモット「ジン、ハムスターの実験は続けた方がいいわよ。」


資料を書き換えたりしたのは、
あの笑顔を守りたかったから。



『ベル、モッ．．．ト？』

ベルモット「えぇ、よろしくね。」





A、貴方を自由にしてあげたい。

愛してください１３→←愛してください１１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す