【完結】《轟》がなつかれたい闇墜ちヒーロー【刀剣乱舞×僕のヒーローアカデミア】 (ページ33)

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闇墜ちの短刀３０ページ33

轟side

轟「させねぇっ！」

叫んで砕けた刀を氷で修復する。

何とか形になった刀に、住民を避難させてきた木漏日が泣きながら霊力を送り続ける。

「足りないっ！霊力が、足りないよっ．．．！！」

大粒の涙を溢しながら、苦しそうに呟く。

それでもなお送り続けているのに、キノは顕現しない。

轟「っダメなのか＿＿＿！！」

苦しげにはきすてたとき、

大智「A！！稀！！」

「お父さんっ！どうしてキノの名前を．．．」

木漏日夫妻が来た。

大智「さっき思い出した、コイツの呪いが解けたからな。本丸のこと、刀剣男士のこと、A藤四郎のこと。改正されるまえ契約に、家族にも審神者のことを話してはならないとあったからな。お前にも妻にも話してなかったが．．．俺はA藤四郎を顕現した審神者、大智だったんだ。」

そう言いながら木漏日の肩に手をのせた。

「！これ、お父さんの霊力．．．？」

大智「Aじゃなく、キノ。コイツは名前と同時に主を変える。本当につらいとき側にいたお前が主にふさわしい。」

桁違いの霊力が辺りを包んだ。

歪だった氷の刃が鋼の色を取り戻す。

緑谷「これは＿＿＿桜？」

桜の花嵐が起きるその真ん中に、人影が現れた。

ふわりと舞い降りた人影は、幸せそうに笑う。

『僕はキノ藤四郎、粟田口と三条の短刀です。つけてくれた名が消えても、貴方の刀であり続ける短刀です。』

言い終わると同時に木漏日に抱きつく。

『大智さま、稀、ありがとう。』

「キノ＿＿＿つ＿！！」

泣く二人を、みんな静かに見守っていた。

*

その後、騒ぎを聞き付けてきたオールマイトたちに叱責と称賛を受けた。

大智さんは政府へ入り、男を見張っているらしい。

戦闘で怪我はなかったものの、周りへの被害が大きいために壊れた住宅街の修復が俺たちの授業となっている。

『轟？』

ぼんやりする俺を不思議そうに覗きこむキノ、久しぶりの日常に頬が緩む。

轟「なぁ、俺の願いを叶えてくれるか？」

『？』

前より表情を変えてくれるキノを見つめる。

轟「俺と付き合ってほしい。」

『！』

唇が重なったのはその一秒後、クラスから拍手喝采が起きたのはさらに一秒後である。

有名ヒーローショートには恋人がいる。

同じく有名ヒーローのマレは、意気揚々と相手を伏せてこの話を雑誌に載せた。