【完結】《轟》がなつかれたい闇墜ちヒーロー【刀剣乱舞×僕のヒーローアカデミア】 (ページ20)

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闇堕ちの短刀１７ページ20

キノside

『ありがとう、もう、大丈夫。』

涙をぬぐう。

ここで僕が泣いていても意味がないから。

今はただ、稀のそばに行って

荒れた心を静めたかった。

緑谷「じゃあ．．．戻ろっか？」

少し戸惑いながら言う緑谷と共に教室へ戻る。

大きすぎるドアを開けると、数名が寄ってきた。

．．．．．入れない．．．．。

仕方なく廊下で待つ。

芦戸「君もかっこよかったよ！」

緑谷に自己紹介と誉め言葉を口にしていた人間が

今度は僕の方を向いた。

蛙吹「よく稀ちゃんを守れたわねぇ」

緑谷に《梅雨ちゃんと呼んで》と言っていた少女が

近寄ってくる。

蛙吹「キノちゃんと稀ちゃんは友達だったの？」

芦戸「本当によくあんな行動とれたよねぇ！！」

どう返せばいいのかわからない。

思わず固まる。

そこへ稀が助け船を出してくれた。

「そろそろいいかな？キノが戸惑ってるし．．．。」

その一言で僕の周りから人がいなくなる。

やっと落ち着ける。

「キノ」

『ん。』

稀につれられて人気の無いところまで行き、

手入れをしてもらう。

さっきまで堪えていたであろう涙を流しながら

ごめんねと繰り返す稀。

僕は稀の、主さまの短刀だから

謝る必要なんてないのに。

笑いながら僕らを折る男と

軽傷なのに泣きながら手入れする稀。

同じ人間でもここまで違うのか。

「．．．．出来たよ．．．ごめんねっ、私のせいでっ！！」

もう傷はないのに、まだ涙を流す。

『気にしないでよ．．．．主さま』

驚いたように顔をあげる主の涙が止まったのを確認して、

待っている僕を預かる家の人のもとへ向かった。

*

八百万「着きましたわ。」

『．．．お世話になります。』

．．．．大きい家．．．

本丸くらいあるのかな？

八百万「私はこれで失礼します。」

僕の部屋に案内して帰ろうとする少女を呼び止めた。

．．心細い．．．。

『あの．．．お風呂、一緒に入ってくれませんか．．．？』

自分の体質を初めてよかったと思った。