B2 過去9 ザックside ページ9
(老人)
「そうか」
しかし老人は微塵も狼狽えなかった
怯えもしなかった
ただ少し悲しそうな声でそう言っただけだった
なんで、だよ…
意味がわからなかった
狼狽えれば今すぐにも殺してやるのに…
(老人)
「それで、お前はどうしたいのか」
淡々とした口調で、老人はきいた
どうしたい…？
俺は答えられなかった
どうしたいなんてわからない
自分の答えなんて用意してなかった
だって俺はただ老人の狼狽える姿が
見たかったのだ
そして俺に少しでも絶望の表情を向けるなら
息をつく暇もなく殺してやろうと
思っていたのに
返り血をぽたぽたと垂らしながら黙り込む俺に
老人は「疲れただろ、もう寝なさい」
と言って方に汚いコートを被せた
なんなんだ…なんなんだよ
俺はこの老人にとって、どうゆう存在なんだ？
わからない
分かるのが怖かったのかもしれない
もう何も考えたくない
いくども肉を切り裂いたせいで
歪んだ包丁を手放して
俺は寝ているAの隣に静かに座ると
倒れ込むように眠った
もうこの包丁は使い物にならない
ただ、それだけがわかった
次の日、目を覚ますと老人はいなくて
Aは俺の隣で寝ていた
しかし、明け方に居ないのはいつものことだ
あの老人は毎朝決まって散歩に行く
ふと机の上に目をやると
そこには珍しくメモが書き残してあった
でも俺は字なんて読めない
習ったこともない
だからそこに書いてあることがわからなかった
俺がメモをじっと見ていたら後ろから声がした
(A)
「ザック…？どうしたの」
その声は寝起きで少し眠そうだった
(ザック)
「なぁAお前って文字よめるか？」
(A)
「ごめん、わからない習ったことないから」
俺は無性に何と書いてあるか気になって
Aにきいてみたが
Aも読めないようだった
俺は落ち着かない気持ちのまま
その日、老人の帰りを俺達はずっと
待ち続けた
でも結局あの日、老人は帰らなかった
その次の日も、その次の日も
老人は帰ってこなかった
老人は逃げたのだと思った
ならやはり殺しておくべきだった
俺は読むことのできないメモを切り刻んで
床に捨てた
Aは老人が帰ってこなくなって2日目
辺りからずっと座り込んでしまっていた
俺の中ではよくわからない気持ちで
いっぱいだった
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名無し(プロフ) - っっっ‥‥‥‥【ナナシ ハ セン ノ ダメージ ヲ オッタ】好きです！！！これからも更新頑張ってください！！！😭 (3月26日 17時) (
レス) @page46 id: 9f491c41ca (このIDを非表示/違反報告)
さつてんと舞台最高！ - 泣きたい,,,皆様が書く殺戮の天使の小説は神すぎて泣いて笑ってハハハハハですよ！もう神✨頑張ってください😭 (6月5日 22時) (レス) @page46 id: 8b47d12e98 (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - ザック可愛すぎだろ… (2021年10月12日 0時) (レス) @page46 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 更新停止中…だと… (2021年1月1日 1時) (レス) id: e66444f48b (このIDを非表示/違反報告)
餡子 - とてもおもしろかったです続き楽しみにしてます！！！！！ (2019年1月20日 20時) (レス) id: bceaa8cd15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティアナ | 作成日時：2018年9月8日 0時
