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「あっ、あたしっ、あたし、もうっなんもわかんないっすよ! みんなっそんな、どっち選ぶとか! あたし全然わかんないっすよおっ! なんでっ、なんでそんな話してっ。」


 涙が溢れて、えづいて、喉が詰まってゲホゲホと咳をする。そのまま内臓ごとひっくり返って吐き出してしまいそうな感覚だった。苦しそうに丸まって泣き喚くひなたに、澪がごめん、だとか声をかけながら背中をさする。言いたいことがいっぱいあって。いっぱいあるはずなのになんて言えばいいのか全然わからなかった。一度言葉が途切れてからはもう喉からは苦しそうな空気の音しか出せなくて、必死に喋ろう、何か言わないとと思うほど喉が閉まっていくかのようだった。

 もう、なにもわからない。ごめんなさい、ごめんなさい。なにもできなくてごめんなさい、なにも選べなくてごめんなさい。





「……て。……待ってください……っ、待ってください、澪ちゃん! お願いです、お願いですから、恋夢ちゃんを助けてあげてください……!!!嫌です、嫌……恋夢ちゃんっ、恋夢ちゃん!!!っ、お願いですから!!!……路望。……路望も何か言ってくださいよ。路望っ!!!」


 普段の彼女ではありえないような大声を出すいろはに、みんなが釘付けになった。必死の形相で叫んでいるいろはの目には薄く涙の膜が張られていた。澪にすがって願って、路望に協力をあおいで、助けてあげて、と何度も何度も叫んだ。だんだんと弱々しい叫びになっていく姿は見ていてとても痛々しかった。





 最悪だ、最悪だ、最悪だ。リーダーとして、この状況を何とかしなければならない。それが、路望に求められていることだった。しかし、頭の中を支配するのは”恋人が死ぬかもしれない”という得体の知れない、知りたくもない不安である。常に冷静で理性的に行動してきた終夜路望の目には、今までに見たことのないような色が浮かんでいる。息が詰まる。彼女はすぐ目の前にいるのに、何もできない自分に苛立ちを感じた。恋夢の不安そうな表情に、冷静さも飛んでしまいそうだ。


「……私の、大事な人なんだ。命に変えても、守りたい。」


 私情を断ち切って、客観的な判断を下したかったのに。そうしなければ、ますます苦しくなると分かっていたのに。親友の悲痛な叫びを耳にし、内に秘めた思いが吐き出された。彼女の目は静かに、けれども確かに、”恋夢を助けて”と訴えていた。

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(プロフ) - きゃらめる@ぱんけえきさん» コメントありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。今後ともあいです!をお楽しみいただけたら幸いです。 (3月29日 22時) (レス) id: f84a20cb2a (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる@ぱんけえき - とっても面白いです!アイドルたちがデスゲームをするのはなかなかユニークなご企画ですね! (3月29日 21時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2024年1月13日 11時

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