第玖話 焦り ページ14
『………暑い……暑いよぅ………』
うわ言のように呟く少女を見て、哀絶はとても
焦っていた。
今まで、戦闘中でさえも"焦る"ことなど無かった
あの彼が、だ。
「…そんな事を言うな、哀しくなる…!」
そう必死に訴えかけたが、少女の意識は遠ざかって
いくばかりで、届く筈もなかった。
「…っ積怒!…可楽、空喜!!!」
身が震えるような危機感に、パニックになったかの
ような口調で仲間を呼んだ哀絶。
「何があった?!」
それに答えるように、いち早く駆けつけた積怒。
初めは何も分かっていなかった。
が、しかし。
『…』
「これは…!」
今にも死にそうな少女の姿を見ると、説明など
せずとも、どれほどの大事が起こっているかは
目に見えて明らかだった。
だから。
「…可楽!上手く調節して風を送り続けろ!
空喜!お前は一刻も早く何か冷たいものを
持ってこい!急げ!!!」
彼もまた、必死になってそう叫んだ。
『…』
少女は、全く動く気配もない。
数分前まで、あんなに元気だったのが信じられない
くらいに、哀絶の腕の中でぐったりとしていた。
「…哀しいのう……」
果たして、少女を待つのは。
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ネオンライト - ありがとうございます!皆さんもいろいろとお疲れ様です('ω') (6月7日 22時) (レス) id: ec078ab941 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 完結お疲れ様でした、二人の幸せなこれからを想像してしまいます。 (6月7日 19時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様でした! (6月7日 18時) (レス) id: 02cb98763f (このIDを非表示/違反報告)
ネオンライト - 6/7完結いたしました!また何かあればご報告ください😌 (6月7日 16時) (レス) id: 1121998891 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - はい!こちらこそよろしくお願いします! (6月5日 23時) (レス) id: 02cb98763f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネオンライト | 作成日時:2023年6月2日 13時