第一話 目覚め ページ2
雨が降りそぼる音で、少女は目を覚ました。
身体中が痛くて、動くことすら出来ない彼女は、
ただ降りしきる雨の音を聞いていた。
『………』
ふと目に映ったのは、木造建築のような床だった。
きっと誰かが、ここまで運んでくれたに違いない。
少女は、そう思った。
さすれば救急車もすぐに来るはずだ、と思い、
静かに目を閉じた。
と、外から誰かが来る音がした。
救急隊員か、それとも、この建物の持ち人か。
…いや、少女には、そんなことはどうでも良かった。
なぜなら。
『……まだ、全部見てないのにな…』
そう。
彼女は、数年前から流行っていた、あの「鬼滅の刃」
の大ファンだったのだ。
それも、敵キャラの。
友達に何度変人扱いされても、開き直って笑いに
変えていたほどの。
そんな彼女は、アニメの1クールを見きれないまま
終わったのだ。
後悔しないわけなんて、ない。
『………?』
まだ暗がりに慣れない眼を凝らして、入って来た
人を確認した。
『(あれは…、ジャージ…?多分、adi●asかな。)』
下1/5くらいしか見えてはいないが、とりあえず
ジャージを着た青年(?)であろうことは分かった。
少女は、青年が後ろに座り込む気配を感じた。
そして、何とか横向けになった。
『…っ』
また、微かな痛みが走る。
「………どうした?」
青年の優しい声が、斜め上から降ってくる。
少女は、不意に涙腺が緩み、泣き出した。
先ほどの後悔が、急に押し寄せてきたのだ。
青年の優しい声と、僅かに見えたジャージの紺色が、
更に記憶を掻き立てる。
『……最後に……
少女はついに、眼を閉じた。
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ネオンライト - ありがとうございます!皆さんもいろいろとお疲れ様です('ω') (6月7日 22時) (レス) id: ec078ab941 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 完結お疲れ様でした、二人の幸せなこれからを想像してしまいます。 (6月7日 19時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様でした! (6月7日 18時) (レス) id: 02cb98763f (このIDを非表示/違反報告)
ネオンライト - 6/7完結いたしました!また何かあればご報告ください😌 (6月7日 16時) (レス) id: 1121998891 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - はい!こちらこそよろしくお願いします! (6月5日 23時) (レス) id: 02cb98763f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネオンライト | 作成日時:2023年6月2日 13時