33話目 ページ35
「…はぁ……はぁ…っ…」
その場で膝をついた。
確実に仕留めたという確信があったから。
それは力なく地面に伏せる新型の姿じゃなく、確実に仕留めたという勘。
物理法則さえもねじ曲げる挙動をとった末。
それを可能とするため、忙しく脈を打っていた心臓がゆっくり速度を落としていく。
息切れだけだった身体が、今更物理法則を思い出したかのように激痛が全身を襲った。
身体が、酷く重い。
必死で息を整えようとしてるのに、呼吸が全く平常にならない。
筋肉が裂けて、血管が切れてしまった感覚だ。
身体が壊れた私には、もう立つという自然な動作でさえ辛かった。
だけど後悔はしてない。
そうするだけの価値はあった、やらなきゃいけなかった。
これで、次に進む人たちの道が拓けた。
「……勝っ、た…」
苦しくて、掠れていたけど言葉を溢した。
動かなくなった新型に目を落として、ため息をついた。
烏「A！」
「烏丸…」
それから次々と隊員が駆け寄ってくれる。
幸せだって思ってるけど、視界が霞んで誰が誰だか分かんない…
でも一人、なんでか屋上にいる人。
何か嫌な予感がし、目を凝らす。
結局目では確認出来なかったけど、勘は働く。
こっちを見ている気がする。
ダメだ、逃げなきゃ。
「…はやく逃げて…屋上が、危険かも…」
その振り絞った言葉で、みんなが屋上を見上げた。
すると顔色が変わってくのが分かった。
やっぱり…
その時、誰かに抱えられた。
「待って！誰だかわかんないけど…っ私を置いてって、大丈夫だから…！」
こんな使い物にならないような私を抱えていたらただのお荷物だ。
出「なにお前。視覚もやられてんの？」
「…公平…！？」
「柚宇さん、俺の視覚情報をAに共有してくれる？」
『はーい了解』
その瞬間、目が突然見えるようになった。
目がいつもの調子を取り戻した。
「…公平、ありがと」
出「俺優しいから、当然だなー」
思わず微笑んだ。
「でも、私がお荷物なのは、確かだよ」
出「いやいや、Aまでキューブになって敵に回収されると困るんだよ。こんな人材、敵に渡すわけないだろ」
「…キューブって、あの屋上にいた奴はそういう能力があるの…？」
出「そう。C級と緑川がやられた」
呼吸が落ち着いてきた。
「駿まで…」
出「A級4位がやられるんだからな。Aが新型片付けてくれなきゃもっとキツかったな」
「自分なりの、最善策だから」
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夕葉見(プロフ) - 花音さん» ごめんなさい！今すぐ直してきます、指摘ありがとうございました！助かりましたー！ (2015年8月28日 10時) (
レス) id: 670ee35a55 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - とっても面白いです！けど一つだけ指摘させてください。出水は国近さんじゃなくて柚宇さんって呼んでます (2015年8月26日 0時) (レス) id: aaaae65d81 (このIDを非表示/違反報告)
漣 - 更新がんばって！続き待ってますっ！ (2015年5月17日 9時) (レス) id: 6749ee94fc (このIDを非表示/違反報告)
三風藍(プロフ) - 私もヒュースすごいタイプだから主人公ちゃんと気が合うかもwwwこれからも更新頑張ってください続き楽しみに待ってます！ (2015年5月5日 19時) (レス) id: c4675d711c (このIDを非表示/違反報告)
峰りん - 角の生えた空飛ぶゴリラ、ジェットゴリラWW 更新頑張ってください☆ (2015年5月2日 23時) (レス) id: fe3074f548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕葉見 | 作成日時：2015年1月14日 23時
