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捌拾弐 ページ32

「団子……美味しぃ…。」

頬が緩んでいるのを見られたので、慌てて真顔に戻る。



「…お館様に申し訳ないと伝えておいて欲しいです……。」
あんなによくしてもらったのに、急に戻ってこないなんて最低だと自分でも思う。



「なぜお館様がお前を危険を冒してまで引き入れたと思う?」

不死川さんは目を細めてそう聞いてきた。


「…わかりません…」

「お前が無惨を倒すのに重要な役割を果たしてくれると思っていたからだァ。」

「……倒すのに、重要な役割……?」

「あァ。だからお前は無惨の所に帰っちゃァいけなかったんだ。」


「…」


「無惨の奴のせいで沢山の人間が殺されている。俺の母親だってそうだァ。胡蝶は、両親、姉も失った。」


胡蝶さんの家族も……?



「皆、アイツが死ぬことを望んでいる。これ以上悲しむ奴が増えねェように。」


「…。」


「……A、お前の首元のそれ…」

「冨岡、テメェは黙ってろォ。」

「…私が重要な役割を果たせるか分かりませんが、手伝います。」


どんなに好きな方でも、人の命を沢山奪ってきているなら……



倒さなければならない。



好きな方を倒す手伝いなんてしたくないし、前は絶対にしないと心に決めていたけれど。
皆、鬼によって幸せな時間を壊されている。私に優しくしてくれた人達も皆、幸せを奪われた。



「これはァ、お館様から預かった文だァ。」

「…文?戻るのではなくて……?」


文を開いて読めば、私の手伝う内容はごく簡単なものだった。


【命を懸けてほしい。】
この一文で何となくお館様の言いたい事は察した。



「…お前にはァ酷な内容だよなァ……」

「いいえ。命を懸けるつもりだったので、何も問題ありません。」


「…お前、なぜ死に恐怖を抱かない。」

冨岡さんに言われ、私は笑った。



「人はいつか死にます。それが早いか、遅いか。ただそれだけなんです。」
そう言うと、彼らは目を見開いた後、フッと笑っていた。


「そうかァ。お前は俺が思っていた以上に強い女だったんだなァ。」

「…意外だ。」


「人間の私には無惨さんは情報を言ってはくれませんが、私は本当に役に立つのでしょうか……?」

「あァ、役に立つ。その首元を見りゃァ分かる。」

「…そうだな。」
「…首元で分かるものなんですか…?」
私はどんな役に立つのかは分からないが、




とにかく、私は死ぬ事で、何らかの役に立つのだろう。
好きな人を倒す手伝い。これ程辛いものは無いのだけれど。

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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月28日 23時

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