検索窓
今日:34 hit、昨日:42 hit、合計:484,901 hit

陸拾漆 ページ17

「…」

太陽がだんだんと沈んでいき、空が少し暗くなってきたが、
鳴女さんを呼ぶ気になれない。


無惨さんが、人を喰らう鬼の始祖……?
…あんなに優しい方が?


でも炭治郎さんの話は嘘ではなさそうだった。



街灯の傍にあるベンチに腰掛け、本を開く。
本読んで気分を紛らわせよう。


そうして読んでいた時、

「……おい」

声をかけられた。

「…?」


顔を上げれば、青い瞳の鬼殺隊の人が居た。

「…えっと、私に何か。」

「……来い。」

強引に手を引かれ、私は何とか振りほどこうとする。


「……なんなんですか!?急にっ!!」


誰かに助けを求めようとするが人が誰もいない。
私いつの間にこんな暗くなるまで本読んでいたの?



「はぁ……冨岡さん、そんなんだから嫌われるんですよ。」

女性の声がして上を向くと、ふわりと蝶々が舞い降りたかのように彼女は私と謎の人の目の前に現れた。



「大丈夫ですよ。Aさん。この人は変な人ですが、貴女に危害を加えるつもりはありませんよ。」


私よりも小柄で綺麗な人だった。
同い歳…それとも歳下の方だろうか。


「Aさん。私達鬼殺隊の当主である御方と会っていただけないでしょうか。」

「鬼殺隊の……当主…ですか…?」

「はい。」


「……えっと……」


「はい、隠の皆さん!お願いします!」

女性の明るい声が聞こえたかと思えば、急に目隠しをされ持ち上げられた。



え。私はよく分からないまま連れていかれた。



***


目隠しが外され……



目の前には白髪の女の子達が鞠で遊んでいる。

なんだろう。このホワホワする感じ……
温かくて、心地よい。



「よく来てくれたね。」


優しい声が聞こえて、私は声のする方を見ると、

「…あなたが……鬼殺隊の当主様ですか…」


目の前で女性の方に支えられている方は優しい雰囲気の黒髪の男性だった。



「あぁ。そうだよ。少し私と話をしてくれないかい?」

私は縁側に座り、


「私が話せる事なんて何も……ないですが…」

「何でもいいよ。君の話したい事を話してくれればいい。」

彼は目が見えないようだった。肌も目元まで変色している。……何かの病気……なのかな。



「…私は…」


鬼に育てられたと言った。そして、自分の親代わりだった鬼のお父さんは鬼殺隊に殺されたとも言った。

常に優しい雰囲気を身に纏う彼がどんな反応するか気になった。

陸拾捌→←陸拾陸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (402 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
683人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月28日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。