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陸拾弐 ページ12

「…無惨さん行っちゃった。」


少しボーッとした後、私も襖を開けて鳴女さんに話しかける。

「鳴女さん、外はもう暗いですか?」
「はい。A様が一人で出歩くのは危険かと。」
「そっか。もう外は夜なんだね。ありがとう!」




さっき着替えたばかりの帯を解いていく。
お風呂入って、布団の中で本でも読もうかな。
そう思いながら部屋に戻り紐を解き、着物を丁寧に掛ける。

着物を脱いで、肌着一枚になった時だった。


「A入るぞ。」
急に襖が開けられて私は固まる。


「……。」

無惨さんも一瞬固まった後、ゆっくり目を閉じて、そっと襖を閉めた。




ごめんなさい!!無惨さん、大変お見苦しい物を見せてしまった。前隠したけど大丈夫だっただろうか。
ポンポンと浮かぶ恥ずかしさに押し潰されそうになりながら私はお風呂に向かった。




***


お風呂から上がれば、私の布団が敷かれている隣に座って本を読んでいる無惨さんが居た。

「無惨さん、何の本読んでいるのですか?」

「…これは歴史書かな。」

無惨さんはそう言った後、本を閉じて私に手を伸ばした。
そっと手を握れば引き寄せられ腕の中に閉じ込められた。


「…先程の……アレ…お見苦しい物を見せてしまい……本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでして……」

「あれは私が悪い事だ……すまなかった。」

「いえ、私は大丈夫です。」


そう返事をすると、キュッと抱きしめられる
ふわりといい香りがする。



「無惨さんもお風呂入って来たんですか?」

「あぁ。」

「無惨さんからいい香りが……石鹸の香りがしたんです。」
無惨さんの首元に鼻を近づけるとやっぱり石鹸の香りがする。


「Aからも石鹸の香りがする。」

スンッと首元に無惨さんの鼻が当たる。

「少し……くすぐったいですね……」

「傷はまだ痛むか。」

「もう血は固まってます。大丈夫です!」



「…えっと、無惨さん…?」


もう一度呼びかけると、無惨さんは口を開いた。

「明日の夜は無限城でとても大切な事があってね、明日の夜だけはAには童磨の所に泊まってもらおうと思うのだが。」

「明日の夜は……無惨さんとこうして過ごせないって事ですね…」

「……あぁ。その通りだ。…そんな悲しい顔をしないでおくれ。私も心が痛む。」
無惨さんは悲しそうに目を細めて私の頭を撫でてくれる。
私も悲しい顔をしているのだろう。

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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:秋栄 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年3月28日 23時

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