捌拾捌 ページ38
左手で頭を撫でられていて、
「黒死牟さん……?」
そう呼びかけると、黒死牟さんはハッとしたように目を見開き手を引っ込めようとしていた。
「なんでやめちゃうの…?」
急いで黒死牟さんの右手と手を合わせるのをやめて、黒死牟さんの左手をギュッと掴みまた私の頭の上に乗せる。
「ねぇ……黒死牟さ…!?」
グイッと腰を引かれ黒死牟さんにギュッとくっつく。
「…少し…だけ。」
「……寂しいの?」
「…」
「寂しいかったら言ってよ。私も寂しい時に助けてもらったから。お互い様だよ?」
ゆっくり黒死牟さんの左手を離し、ギューっと黒死牟さんに抱きつく。
なんかその時はホワホワして、心が温かかった。
「ちょ…!A!」
「あ、堕姫ちゃん!」
堕姫ちゃんが、こっちに気づいて歩いてくると、黒死牟さんは直ぐに離れて、居なくなってしまった。
「ちょ、あんたってば、黒死牟に助けられてたわけ?で、なんで、あんな事してたのよ」
「寂しかったんだって。黒死牟さん。」
「もー……あの御方をあまり怒らせてはダメよ。」
「え?無惨さん?」
「…あー!もうっ、何も分かってないんだから!!」
「そんなに怒らないでよ堕姫ちゃん。でも怒ってる堕姫ちゃん、可愛い…眉とか…とんがってる唇とか。」
「もう…Aの馬鹿。」
「えへへ、嬉しいなぁ。」
堕姫ちゃんに抱きつかれて私もギュッと抱きしめ返した。
***
「ねぇっ!」
「……」
「ねぇ!」
「……」
「猗窩座さーん!逃げないでよぉぉ!!」
私は袴を捲り、袖は、紐で結び、無限城を走って追いかける。
笑いながら私はある物を振り回す。
「お前っ…以前よりも足が速くなったのか…」
「ふふっ、私はもともと山に住んでてある程度は体力あったけど、それをみんなが鍛えてくれたから速くなったんだよっ!さぁ!猗窩座さんっ!」
「A、悪かった!本当に……あれは悪かった!!」
「だから、アレはもう許してるよっ!」
「それだけは勘弁して欲しい……!!」
「なぁに?猗窩座殿Aちゃん怒らせたの〜?」
「お前は消えろ。童磨。」
「え〜!酷いなぁ!俺達とっても仲の良い友じゃないか〜!」
「殺す。」
猗窩座さんは童磨さんと戦おうとしているのか、童磨さんの前で立ち止まった。
「鳴女さんっ!」
私はここぞとばかりに叫んだ。
ベンッ!
琵琶の音がして、私は真っ逆さまに猗窩座さんの頭上に落ちていった。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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