叫び(シェアハウス) 3 (ページ32)

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なんで？翔君！ページ32

智side

翔君が俺に『逃げるよ！』と言った。

俺は、翔君の前を走っていた。

けど、もうすぐで出口！という所で、俺は…翔君に背中を押された。

「わっ！」

…そして、勝手に扉が閉まっていく中翔君は俺に言った

『智君…ごめん』
『さよなら』

閉まった扉の向こうでは、何者かの呻き声と、翔君の叫び声。

『ｳﾞｳﾞｳﾞ』
翔「くっそ！離せよ！」
『ｳﾞｧｰ』
翔「…」

少し声が聞こえなくなった…
俺とスタッフは翔君の名前を扉を叩きながらずっと呼び続けた。

「翔君！翔君！」

ス「櫻井さん！櫻井さん！」

俺達の呼ぶ声に答えるかのように…

翔「あと少し…」

と答えた。その言葉通り…少しの時間が経った時扉が開かれた。

…ギィィー

中から押す式の扉。
翔君は扉に寄りかかっていたのか、開けた途端外側に倒れ込んだ。

「ッ！翔君！」

翔君は小さく俺に言った。

翔「気力？吸い取られたみたい…智君がこうならずに済んで良かった。」

って…今回ばかりは翔君を責められない。
責めるとするならば、スタッフだろう。
だが、今はスタッフ達よりも翔君が優先だ。

「車用意して。後、ホテルすぐ戻るから。」

ス「分かりました」

「マネ！医者呼んで！」

マネ「分かりました」

翔「ふふ。めずら…しい…テキ…パキ」
「話さなくて良い。少し揺れるな？」
翔「おもたく…ない？」
「痩せすぎ。」

そう言うとふふっと笑った。
ったく…笑い事じゃねぇっての…

↓ホテル

マネ「点滴を打ってるので動かさない様にと…」

「そうか。ありがとう」

マネ「いえ。櫻井さんを宜しくお願いします。」

「うん」

点滴を打ってもらって1時間…
翔くんが目を覚ました。

翔「んっ…あ～？」
「あ、起きた？」
翔「うん」
「あのさ、」
翔「待って、智君を突き飛ばした理由を聞きたいんでしょ？答えるよ。」
「いや、違くて。俺を護ろうとしてくれたのはわかってる。でも、あの中で何があったのか知りたいんだ」
翔「…体、触られた。触られた場所から、何かを吸い取られてる感覚があった。」

衝撃だった。だって、数ヶ月前にスタッフの件で色々あったのに、次は霊って。

翔「外に出れた時安心した。あぁ、生きてるって」

俺は思わず翔君を抱きしめた。

翔「うわっ…なんだよw」
「怖かったね、もう大丈夫だよ。明日休みになったから。最終日だけ、撮影になったから。明日は、ホテル内でのんびりしよっ？」

最終日に本来の目的場所に行き話を聞くらしい…