長い旅 ページ2
翔side
長い長い旅に出ていた。
周りには誰も居ない。何も無い。
でも、声は聞こえる。
『起きて』
『謝りたいよ。』
『目、開けてよ。』
『翔、ごめん』
『翔ちゃん。おはよって言ってよ』
『翔さん。今日晩飯何にしよっか』
『翔ちゃん〜俺、今日ライオンのお世話してきた！』
『翔さん…起きて俺に教えてよ。ゲーム』
皆の声が聞こえる。でも、瞼が重くて…目が開けれない
起きたいって気持ちがないって言ったら嘘になる。
そして、俺は…今日も目を覚まさないまま。
長い長い道を俺は進んでる。
「あれ、なんか彼処だけ凄い明るい…」
そこは天国みたいに明るかった。
まぁ、まさか、マジで天国なんて思わなかったよw
現実世界の俺は、今どうなってるかな。
よく耳を澄ませば、みんなの叫び声が聞こえた。
『翔！行くな！』
『翔君！息して！』
『翔ちゃん！戻ってきて！』
『逝かせねぇ、戻って来い！翔！』
うん…俺、死にかけてるやん。
人命救助(？)してるのは智君かな？
俺の手を握ってるのは和とシルクかな？
両手が暖かいや…
「でもなぁ…彼処行ってみたいよなぁ…」
でもなぁ…俺は、悩んだ。行ってみたいけど、行ったら死ぬ。
結論出たわ。
「智くん達の元に帰ろっと」
言葉に出した瞬間、俺が立ってた場所が急に無くなり、真っ逆さまに落ちていった。
「そんな事あるぅ〜！？」
なんて呑気に考えてると、急に息がしずらくなった。
息が吸えない。やばいやばい、苦しい。なんて思ってると…フゥーっと何かが入ってきた。さっきまで苦しかったのに、その何かのお陰で…大丈夫になった。
そして、俺は…皆の元に帰った。
「ッゴホッゴホッ…はぁはぁはぁ」
目を開けるとそこには2人の泣きそうな顔と安堵したような顔があった。
智「よ、良かった…」
和「一人で逝かないでぇ」
シ「無事でよかっ…ｸﾞｽｯ」
「み…なの…こえ。きこえｯたよ？」
智「本当に良かった…ごめん。」
「いやｯおれのほうこそ…ごめッん…ｹﾎｹﾎ」
智「今は、少し休もうか。」
和「俺とシルクみんなに連絡してくる！」
智「任せたよ」
2人が出ていって、智くんも出ていこうとしてた。
意地張って、ごめんって、言いたくて…智くんの着てた服の袖を引いた。
智「ん？どうした？」
「ごめんなさい。意地張って…ごめんなさい。なんで俺だけって…智君だって辛かったはずなのに…自分ばっかりで…ごめんなさい」
智「謝る必要があるのは僕だよ。」
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作者名：シュガーsweet | 作成日時：2020年12月10日 2時
