【ONEPIECE】one day〜海賊vs正義〜†season6†

episode167.消えた温もり ページ18

パァンッ

乾いた音。
そして目の前が真っ赤に染まる。
ただ、呆然と立ち尽くす。
その、倒れる''なにか''。


「…お母さぁぁん！！！！」


倒れたお母さんの胸からじわじわと溢れる血。
生々しい、鮮血。


「お母さんっ！お母さん！！」


母「A……ごめんね…」


掠れた、お母さんの声。


母「あなたには…もっとたくさん…この世界を教えて…あげたかった…もっと…いろんなものを…買ってあげたかった…」


「っそんなのいらないっ！お母さん！！」


母「…A…今から言うこと、しっかり聞いて…。」


「お母さん！」


母「…この時代は…荒れてる…。だけど…流れる時に…負けないで…惑わされないで…貴方が信じた道に…進みなさい…」


「いやだっ、お母さんも一緒に！」


母「お父さんみたいに、強くなれるわ…。私と彼の子供だもの…。信じて？」


お母さんは、
ペンダントを私の手に握らせた。


母「貴方には…眠ってる力があるの…。私と同じ…。その大きな力に負けないで。いつか、答えが出たとき、貴方はちゃんとその力を使える…」


ふっと笑ったお母さんは、
太陽のように眩しくて、温かい。
いつもと変わらない笑顔。


母「ずっと…見ているからね…。」


・


・



これが、最期だった。


手からすり抜けた、お母さんの温もりは
かすかにまだ、手に残っていた。

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