【ヤ/ン/デ/レ】溺愛、どころか病んでますが。【ONE PIECE】 (ページ8)

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炎がななつページ8

「ここは割と治安は良いみてェだからな。」とエースが振り向いて言う。

ちなみに私はおやじから少しばかりのベリーを貰った。いや、少しっていうものでもないけど。
なんと、外へ極力出られない私はエースの執務を一緒にこなしているため、それの報酬らしい。
私が一緒だとエースは格段に頑張るらしい。ミスもあまりないし、Aのおかげだ、とおやじに言われた。
お父さんに褒められて嬉しい娘はいない。なんだか本当のお父さんみたいで白ひげは安心するのだ。

…だが、私は特に欲しいものはない。
別に太った訳でも痩せたわけでも、胸が大きくなったわけでもないから洋服や下着はいらないし、長時間ずっと外にいるのはいくら日傘を差していても異常が現れたりしてしまうからお昼はサッチの元へ帰らなければならない。ご飯美味しいからいいんだけど。

そのときに日焼け止めなども塗り直さなければならないので、この体はやっぱり大変だなぁと思ってしまう。

誰が好き好んでこんな死にそうなほど白い肌にならなきゃいけないんだ。というか全体的に色素薄すぎるんだよお母さんたちは黒髪だったよ。

こんな珍しい容姿をしているからか、やっぱり人攫いなどに襲われることもしばしばあった。

いや、そんな時はエースが殺す勢いで来るから真面目に攫われたことは一度も無いんだけど。
というか本当は殺してるのかもしれない……帰ってきてその人達のこと聞くと、「もう二度と人前に出られねェようにしてやった」なんて清々しく言うものだから、、、そりゃあ死んでしまったら人前には出られないよね。

『……命なんてものの、なんて儚きこと』

昔誰かが言っていた。
流行病で村が全滅してしまい唯一生き残ってしまった女の子の台詞だろうか。
それとも、病弱な男の子が死に際に吐いた台詞であろうか。

それとも-----山賊に屋敷を襲われ両親や使用人を殺されてしまった、とある王国の貴族の一人娘の台詞であろうか。

しかし、その言葉はいつまでも私の心の奥に仕舞われている。

そんなに大切な言葉でもないというのに。

『おかしいものね』なんて、誰にも聞こえない程度のつぶやきが口から漏れる。
昔の口調はふとした時に出てきてしまうのだろうか。育つ環境が良かったために、色んな事を叩き込まれてきた。もっとも、良かった環境はそこだけでそれ以外はただの反吐が出るくらい恥ずかしい王国の馬鹿な考えで塗り替えられてしまった気がする。

---ああ、本当に。