【ヤ/ン/デ/レ】溺愛、どころか病んでますが。【ONE PIECE】 (ページ3)

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炎がふたつページ3

エースとは、執務室を出ると何処へ行こうと手を繋いでいなければならない。

思えば、昔から独占欲は強かった気がする。
クマを一緒に退治すれば「頑張ったな」とサボに頭を撫でられるのだが、その途端エースが私をサボから引き離す。

ルフィにゴムゴムの実の能力でぐるぐる巻きに抱きつかれるとルフィにやりすぎなのではないかというほどたんこぶをつける。

やっぱり、かなり独占欲が強かったのだと思うと共にそんなに愛されている事にどうしようもないほどの嬉しさを覚えてしまうのは、やっぱり私がどこかズレているからだろうか。

私が左利きにしたのも、ご飯を食べるときにエースが右に来れば右利きのエースと手を繋げるから。
そう力説され幼いながら利き腕を交換した。

最初は文字も書けなかったが、今はもう慣れっこだ。

非戦闘員のため、敵船と戦う時だけは手を離すがそれ以外は離す代わりに目の届くところにいなければならないなど、かなり行動範囲が狭い。

しかし、結局エースの行き過ぎた独占欲も異常なまでの私への執着、縛り付けるのも"ズレている"私には何も思わなかった。

エースといるときは楽しい。肌が弱い私は昔はなんとか大丈夫だったけど、日に日に肌の弱さが悪化してきてしまいどれだけ肌を露出しなくても日傘がなければ湿疹などが起きてしまう。

太陽の元へ行けない冷たい私にとって、エースの太陽のような"全て"は手放せないものなんだ。

「おい。飯食いに行くぞ」

先程から不機嫌なエースが私を呼ぶ。
ついさっきまで私達の事を囃し立てていたサッチたちをシメていたのだ。
こんなことしなくてもいいのに。と呟くと、「お前の可愛い顔が見られたんだぜ？許せねェ」と小さな事に燃える彼をくすりと笑った。

本当に、可愛くてかっこいい。

『エースだけだから。大丈夫だよ』

そう言ってエースの暖かい手を握ると、静かに手を握り返してきた。

恥ずかしい台詞はよく吐くくせに、恥ずかしいという感情はあまり慣れていないみたい。
ほんのり赤く染まる頬に、思わず笑みがこぼれた。

これが、私の日常。