【ヤ/ン/デ/レ】溺愛、どころか病んでますが。【ONE PIECE】 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:61,224 hit

炎がとうときゅうページ20

あっという間に日にちが過ぎ、この島のログもあと８時間もすれば溜まってしまう。

最後の思い出作りと言わんばかりにエースは作業の手を止めて私に日焼け止めを塗りたくった。
乙女の事情もよく分かっていないエースは日焼け止めを頑張って私の肌に塗ろうとするが、いかんせん手が不器用。

エースが適当に塗ったあとを私がカバーしていくという、正直いってエースが手伝わなくても大丈夫な結果になった。

エースが買ってくれた麦わら帽子はルフィのものと似ていて。
やっぱり今でも持ってるのかな〜なんて胸をふくらませて陽の光を浴びないように日傘を差した。

＊＊＊＊

今日はお祭りらしい。
どうりで以上に人が多いと思った。

はぐれないように手を引かれながら歩くが、エースの姿は人混みに紛れて一気に見えなくなってしまった。

『エース……どこ』

久しぶりに一人になった。
やっぱりこの人だかりの中、日傘を差している人は迷惑で。
私はやっとの思いで近くの丁度木陰になっているベンチへ腰を下ろした。

どうしよう、エースが今頃焦ってるかな。
どうすれば、どうすればと考えていた。

なんだか、自分が惨めに思えてきてしまった。
手のひらで顔を覆う。…エース。

「…オイ」

誰かの声がした。
これは、もしかしなくても私に声をかけているのだろうか。
手をどかし、エースではない男の人の声のする方へ顔を上げた。

『……誰？』

「…トラファルガー・ローだ。」

『…私は、ペリオア・A。白ひげ海賊団なの、あなたは海賊…でしょう？』

白ひげ海賊団、と聞き、トラファルガー・ローは真顔を崩した。
その目は「お前が…？」というような視線で、『非戦闘員よ』とジト目で睨んでやった。

「おれも海賊だ。ハートの海賊団の船長をやっている」

ハートの海賊団…聞いたことあるような、ないような。残念ながら情報には疎いのだ。

うーん……トラファルガー・ロー…知っているような、知らないような…？

「……まァいい。オイ、お前おれに少し付き合え」

『私を探してくれてる人がいるの』

「ついでに探せばいい」

なんて強引な人。
まぁ、そんな人はエースでもう慣れてしまっているけれど。
こういう人は自分の意見を絶対に変えない。よく分かっている。

私は静かにため息をつき、日傘を差した。

まさか、あんなにめんどくさい事になるとは思ってなかった。