【ヤ/ン/デ/レ】溺愛、どころか病んでますが。【ONE PIECE】 (ページ2)

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炎がひとつページ2

ここは、白ひげ海賊団二番隊隊長執務室。

他の隊隊長の部屋より少しばかり大きいそこのシングルベッドには、肌の露出が少なくてもすぐに分かるほど肌が白く全体的に色素が薄い女がすやすやと眠っていた。

そんな女が眠っているシングルベッドに半ば無理やり入り込んで眠っているのは、白ひげ海賊団二番隊隊長、《火拳のエース》だった。

その女の抱き方は抱き枕代わりとも言えるが、部屋から入ってきたものには彼女の存在が分からないようになっている。

火拳にすっぽりと収まるほど体格差のあるその女は、パチリと目を覚ました。

『……なんだか暑いなぁと思ったら…！
エース！私暑いの嫌いなんだけど』

いくら揺すっても起きないその男に女は朝から手を焼いていた。
はぁ…と桜色の唇から思いため息が零れる。

すると、男はその女をいきなり力いっぱい抱きしめた。
『ひぇっ』と色気のない小さな悲鳴をあげ、もう1度火拳の腕の中に収まる女は、もう我慢出来ないと言うように火拳の頬を思い切りつねった。

「痛ェ………」

『最初っから起きてるんでしょ。』

むくれた女の頬をつんつんと指で弄りながら火拳──エースは苦笑した。

「はよ」

『…おはよ』

そうとだけ言うと、女は着替えるから、とエースを部屋から出させた。

「おれの執務室なんだが」

『あんたがここにしろって言ったんでしょ』

私だってどこでもいいならナース達と同じ部屋がよかった。そうごちる女──Aは、ぱさりと着ていた赤いTシャツワンピースを脱ぎ捨てる。

代わりに白いノースリーブワンピースを着て上にUVカット効果のある長袖カーディガンを羽織ると鏡の前で寝癖がないかなどをチェックする。そのついでに顔も洗う。

問題ないと思えば、少し青みがかったベイビーピンクのリップを付け、赤いルビーが1粒入ったブレスレットを手首に通して扉を開ける。

「………今日もおれの匂いがする」

扉を開けた瞬間抱きついてくる大男に『当たり前じゃん、エースの恋人(所有物)なんだから』と背中に腕を回しながら答える。

そしてそれを他の隊隊長に見られ、エースが不機嫌になる。

これが、私の日常である。