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「涼介君ファンの女子に、ヤキモチを妬かないの?」
「別に妬きません」
私がきっばり答えると、はるな先輩が「なんだ〜」とつまらなそうな顔で言いながら、手を動かしはじめた。
それを見て、私もまた手を動かす。
でも、本当はヤキモチを妬いていないなんて嘘。
妬くに決まっている。
だって、大変だとわかっていながらも、私がこの学校でサッカー部のマネージャーをやろうと思ったのは、涼介がいたから。
これが、マネージャーになろうと思った一番の理由。
だから高校では、絶対に涼介と一緒の部活がしたいと思っていたんだ。
そう………。
いつからか、私は涼介をひとりの男の子として意識するようになっていた……。
でも、涼介は絶対に気づいていない。
だって、あいつの恋人はサッカーだから。
あいつの隣には、小さい頃からつねにサッカーボールがいた。
中学生の頃からモテていた広臣は、今までたくさんの女子から告白されてきた。
でも、そのたびに『今の俺にはサッカーしかないから』と言って、断ってきた。
だから、いつまでなのか知らないけど、今のところ、広臣の恋人はサッカーなのだ。
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作者名:安井まあちゅん大我 | 作成日時:2014年8月24日 15時