【d!】恋と病の世紀末

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ゾム
「ﾊｯ…は、ぁ…っくそ…」


ロボロの声が聞こえない
たださっさと銃声の鳴る向こうへ

息絶え絶えに足を動かす
途中、泣き声が聞こえた

メソメソと、低い様な高い様な泣き声
はよあいつらの元へと思うが…
それは大先生の声に近くて


ゾム
「大先生、おるんか…？」


その聞こえた先に声をかける
泣き声が、此方に気付いたのか少し変わる


ゾム
「大先…せ…」


覗いた先にいたのは大先生
だが、金切声みたいなのを発して振り向いた顔は、既に感染者のそれだった

同時に、


ゾム
「っぶねぇぇ！！

大先生おまえっ…」



鬱
「ぁああ！！煩い煩い！俺に話しかけんなや！！
俺からあの子を取るくせに…俺からあの子を奪う悪魔どもめ…許さへん、絶対許さない、殺してやる、殺したる！！」


イメージカラーと同じ青い瞳を薄暗い部屋から爛々と光らせて、その鋭い爪が肉を裂こうと空を切る

なんでこいつまで…


とにかくあいつらのとこ戻らな…
アヤも無事を確認してやりたい
はよ俺が…俺が助けてやらな…


あぁ、もうコイツごと連れて行ってしまえばいい？

他の奴らを殺してくれ
俺がアヤの唯一になる為に



背を向けるのも怖いが、全速力でさっきの場所へ戻る
大先生は追ってくる


現場は酷いもんだった


普通の感染者もいるわ、トントンとシャオロンがいるわ、恐らく敵なんだろうチーノが楽しそうに見てるわ

ロボロが倒れて虫の息で、感染者達に囲まれリンチ状態
それを必死に振り払うコネシマもシャオロンによってなかなか通れないらしい

エーミールが何処かに消えており、ショッピがトントンに銃を向けていた



コネシマ
「ッ…大先生お前…」

鬱
「…ぁあ、あぁ、ぁ…また奪う、俺から奪うんや…
なんで、なんで俺から、あの子を……殺してやる、殺してやるッ…！！」

コネシマ
「………は…」


凄まじいスピードで迫った大先生に、シッマは一発銃を撃つなんて事もなく、ただ体大きくその鋭い爪で引っ掻かれた

ショッピ
「コネシマさｯ、がッ」


一瞬の油断が命取りになったらしい
悪いが俺はそのために来た


さっきのところから飛ぼう
死んだなら、俺もそこで死にたい

なぁアヤ、俺が一番になれたで

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