私たち、結婚してます2【櫻井孝宏】

何かおかしい ページ21

あなたside

櫻「いってきまーす」


「いってらっしゃい、気を付けてね」


朝から仕事に出かける孝宏さんを玄関で見送った後
私はリビングに戻りソファーに倒れこんだ


「はぁ...」


ここ数週間、何となく身体の調子が良くない
頭痛や腰痛もあるし、酷い時は吐き気に襲われることもある


「何だろ...風邪の前兆かな...？」


寝ても寝ても眠気はとれないし、移動中寝てることもしょっちゅう
今日だって午後から仕事なのに全然やる気が起きなかった


「あーもうだめだめ、しっかりしなきゃ...」


何とか身体を起こし台本を開く
気付けば仕事に行く時間になってしまい、急いで現場へと向かった


宮「Aさんおはようございまーす♪」


「あ、まもちゃん...おはよ」


宮「？」


中「何か顔色悪くない？」


いつも通りに返事したはずなのに、まもちゃんと中井さんが顔をしかめた
バレたくなくてニッコリと笑みを浮かべる


「大丈夫ですよ、ちょっとだけ寝不足で笑」


中「...そう？まだ時間あるし寝てても良いよ？」


「ありがとうございます笑」


鈴「はよざいまーす！」


椅子に座ると鈴さんが元気に現場入りした
早速私の隣に腰をおろし笑顔で声をかけてくる


鈴「おはようA、これ食う？」


差し出してくれたのは美味しそうな菓子パン
いつもなら有難く受け取るんだけど...食欲もない


「いえ、今日は大丈夫です」


鈴「えー！珍しいやん！
...って、何かいつもと顔色ちゃうくない？」


宮「寝不足らしいですよ」


鈴「ほぉ...？まぁ寝てな笑」


「すいません...」


***


鈴「寝起きであそこまでやれるの尊敬するで笑」


中井さんに起こしてもらい、アフレコを終えた私は
次の現場へ向かうため鈴さんと長い廊下を歩く


「ギリギリまで寝てたなんて...初めてですよ笑」


鈴「程々にしとけよ〜？」


「え？」


櫻「あ、A」


その時前から孝宏さんが歩いてきた
鈴さんに軽く手を振ると私の頭にポンッと触れる


櫻「これから鈴と現場？」


「うん」


鈴「孝宏〜、お前ちゃんと寝かせたれよ？」


櫻「は？」


鈴「A、寝不足言うてアフレコギリギリまで寝てたんやで？」


鈴さんの言葉に目を見開いた孝宏さんは
私に視線を戻すと険しい顔をした


櫻「それほんと？」


「あ...うん」


櫻「そっか...ごめん、全然知らなかった
今日の夕飯は何か買ってくよ」


「...ありがとう」


櫻「また後でな、鈴もじゃーな」


鈴「おーう！」

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