【妖怪ウォッチ】狐だと思って拾った君は実は妖怪だった。

Life14 ページ19

「どっか行こうか」


朝食の途中でそう切り出した。
別に理由何てないんだから、自分自身にそう言い聞かせる。


…でも、まあちょっと、これはキュウビの事が知りたいからなんだからね、とか。
我ながらツンデレじゃんと思いながらに無愛想に訪ねる。

どんな反応が返ってくるか、何となく分かっていた。



「喜んで。どこ行きます？」


私とは間逆に顔を輝かせながら答える。


笑顔、とは不思議だ。私までなぜか嬉しくなってくる。

私は別にどこでも良かった。キュウビの話しが聞きたかっただけだから。


「私がこの街、案内してあげるよ。」


うん、まあ、私にしては上出来のありふれた当たり障りない言い訳。


優しいキュウビは私に微笑みありがとうございます、と。



「じゃあ、準備して」


上機嫌に食器を洗いながらに。

今の私は、このあと知りたくない事実を目の当たりにするとは知らず、
私は幸せでした。

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