【キュウビ】やっぱり君が好き。【オロチ】

19love ページ20

キュウビside


放課後。太陽がもう西に傾きかけ、下校を促す放送が流れている。




『ねえ、今日さ、四人で帰らない？』



Aさんの提案。四人、と言うのは僕、Aさん、フミカ、そしてオロチのこと。
まあ、別に僕はAさんと一緒に帰れればいいわけで。二つ返事でその提案を受けた。

それはオロチも一緒な訳で。珍しく四人で下校、と言うなんとも奇妙なことが起きようとしているのであった。



「キュウビくーん、オロチー！」


Aさんの呼ぶ声に僕は教室を出た。


きっとAさんには何らかの思惑があるのだろう、さっきも言ったけど僕はAさんと帰れればいいし。まぁ、面白そうだし乗るとするかな？







オロチside


キュウビも一緒とは少し癪だが。まあAの提案だから呑んだが…



『四人で帰らない？』


一体なぜ？誰になんの利益があってのことなのだろう。



気付かないうちに私は難しい顔になっていた、らしい。



「オロチくん大丈夫？」


「ん………？ああ、すまない大丈夫だ……」


心配してくれたフミカに愛想笑いを返す。


あの事件から早くも一週間が経とうとしていた。あの日からフミカの私を見る目が変わった事にも気付いていた。
理由も何となくだが感付いてはいるのだが、申し訳無いが今の私にはAがいる。

だから想いに応えることはないだろう。



…もしかして。Aはそれを知ってフミカに気を遣って…………？




「……優しい奴だな」



少し遠くでキュウビとAが楽しそうに話をしているのが目に入ると少し胸が痛む。





きっと二人はいいカップルになるだろう。


そしたら私は省かれる、と。






その時、私はきっと＿＿＿＿




19love end


☆そろそろ新作書こうかと考えてますが、「お前の書く○○の小説が見たいんだよ」的などあれば、気軽にコメントお願いします…！！！(もしかしたら書くかもしれない)

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