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「…違う、って…何で、ですか…」
私は絶対肯定してくれる
そう言わんばかりの彼の態度に、私は小さくため息を吐いた
『逆に何でってどういうことだよ?私はその場に居なかったけど、ちゃんと隠から聞いた。炎柱様が乗客を全員守りきったって。勿論赤髪くんたちも含めて…ね。
赤髪くんの命は、例えば炎柱様とか…色々な人に助けられて今あるんだ。せっかく生かされた命なのに、何で要らないとか言ってんの?』
「別に、要らないとは…」
『自分が死んだら良かった…は、要らないって言ってるのと同じだ。
じゃあ赤髪くんに質問ね。赤髪くんは私を守って死んでしまった。その後、助けられた私は自分が死ねば良かったとずっと言って落ち込んでる。赤髪くんはどう思う?』
「嫌…です。別に俺はAさんに謝られる為に死んだ訳じゃない…」
『よく分かってんじゃん。今の赤髪くんは、さっきの話の私と同じ。助けられた命を要らないって言ってる。さっきの言葉、炎柱様が聞いたらどう思うんだろうね?』
「じゃあ、」と赤髪くんは震える手で私の手首を掴んだ
「俺は…どうしたらいいんですか」
『今更当たり前のこと聞かないでよ。自分でも分かってるでしょ?鍛練して強くなること。それ以外に道は無いよ』
だって鬼殺隊士だもの
仲間の死を乗り越えて強くならないといけないんだ
この悲しみの連鎖を止める為に
少しでも多くの人が笑って暮らせるように
『おいで。何でも聞いてあげるし受け止める。赤髪くんは私の後輩なんだから、先輩の私に文句でも我儘でも何でも言えばいい』
彼の体を抱き締めつつ、小さな子をあやすようにトントンと背中を軽く叩いた
「俺、は…」
『ゆっくりでいいから少しずつ話しな』
「すみません、Aさん…。煉獄さんは、俺たちを信じるって…胸を張って生きろって言ってくれたのに…」
『うん』
「俺は、仲間が死ぬのが嫌だ…。Aさんにもずっと隣に居て欲しい…」
『うん』
「隣で…俺と一緒に居てくれたらいいんです…。それだけで俺は頑張れる…」
『うん』
「あとAさん…俺は赤髪くんじゃなくて炭治郎って名前があるんだから炭治郎って呼んでほしい…」
『……………うん』
「Aさんは、ぜったい、に、死なないで…俺から離れないで…」
『当たり前。赤髪く……炭治郎が嫌って言っても居てあげる』
「それは止めてください」
『……ん?(困惑)』
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vivid.fy - めちゃくちゃ面白いです!!リクエストです。フードをいつも被ってて顔が見えないツンデレな男主の小説作ってくれませんか?無理そうだったら書かなくで大丈夫です! (2022年6月12日 18時) (レス) id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 千秋さん» 7と8は頑張って感動系にしたので、そう言って頂けて嬉しいです!これからもよろしくお願いします (2021年8月23日 21時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
千秋 - 「7.先輩ですから」って感動のシーンすぎる! (2021年8月23日 13時) (レス) id: a94b48adab (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 濡犬さん» ありがとうございます!こんな作品でも面白いと言っていただけてとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2021年5月22日 12時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
濡犬 - コメ失礼します!ただ今腹筋崩壊した者です!文才があるとこんなに面白い作品が書けるんですか…クソッ羨ましいッッ 次回更新まで正座で待機しよう( ˙-˙ ) (2021年5月21日 19時) (レス) id: e6e0ea5053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2021年5月4日 17時