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その後スミスの道案内で無事に蝶屋敷に辿り着くと、蟲柱様が困った顔で出迎えてくれた
『あの、蟲柱様…?』
「Aさん…ですよね?少し着いてきてください」
『あ、拒否権はないんですね』
問答無用で私の腕を引っ張った蟲柱様
そんなに急いでどうしたんですか、と聞く暇もなく連れてかれた部屋には、赤髪くんがベッドの上で丸くなって座っていた
「それでは私はこれで」
そそくさと去ろうとした蟲柱様に、首を軽く傾げつつも見送る
手をヒラヒラ振ると、「そんな呑気なことしてる場合じゃないでしょう!?」と怒られ、扉を勢いよく閉められた
いや私事情知らねぇんだけど
まぁ蟲柱様や赤髪くんの態度からして、彼を慰めるのが私の課題だろう
しゃーねぇな、ここは先輩であり小野田メンタルクリニックの院長である私が一肌脱いでやらぁ!
『赤髪く〜ん♡』
「静かにしてください」
『うぃっす』
一言で撃沈した
え、後輩こわぁ…
パイセンであるおいらの気持ちも分かってくだせぇよ兄貴…
とりあえず近くに座らねぇと進む話も進まないんで、隣に座ることに
すると、何故か村原の「セクハラ」っつー声が聞こえた
??????
セクハラで訴えられては困るんで、1人分空けて座る
「…Aさん、何でいるんですか」
『私歓迎されてないパターン?酷くね???』
「いや、そんな…」
『なんかあったんでしょ?話くらいは聞いてやんよ』
再び降りる沈黙
ここ数日寝不足気味だから、今すぐにでもこのベッドで寝たいところだがグッと我慢する
クソッ、何で蝶屋敷のベッドは眠気誘うくらいフワフワなんだ…!(理不尽な怒り)
…とか考えてたら、不意に赤髪くんが口を開いた
「炎柱の煉獄さんが、目の前で死んでしまったんです…。この前の、無限列車での任務で…」
駄目だ、初っ端から聞き返しかけた
まず、炎柱様って煉獄さんって名前なんだね!?
私、柱の名前なんて蟲柱様と水柱様しか知らないからなぁ
それに、炎柱様が死んだって言った?
え、柱が死ぬくらい強い鬼が無限列車にいたの?
あーでも上弦来たって言ってたな
私あの付近で任務しててよく死ななかったよ
混乱している私を放置し、膝に顔をうずめて赤髪くんは話を続ける
心なしか、その声は震えているようだった
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vivid.fy - めちゃくちゃ面白いです!!リクエストです。フードをいつも被ってて顔が見えないツンデレな男主の小説作ってくれませんか?無理そうだったら書かなくで大丈夫です! (2022年6月12日 18時) (レス) id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 千秋さん» 7と8は頑張って感動系にしたので、そう言って頂けて嬉しいです!これからもよろしくお願いします (2021年8月23日 21時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
千秋 - 「7.先輩ですから」って感動のシーンすぎる! (2021年8月23日 13時) (レス) id: a94b48adab (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - 濡犬さん» ありがとうございます!こんな作品でも面白いと言っていただけてとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2021年5月22日 12時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
濡犬 - コメ失礼します!ただ今腹筋崩壊した者です!文才があるとこんなに面白い作品が書けるんですか…クソッ羨ましいッッ 次回更新まで正座で待機しよう( ˙-˙ ) (2021年5月21日 19時) (レス) id: e6e0ea5053 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2021年5月4日 17時