夢でキミと会えたら…

36 日高side ページ36

36《日高side》






「日高くん今日なんかご機嫌だね〜」






日「え？そうっすか？」






スタッフさんに突然掛けられた言葉。






俺ってそんなに顔に出てるかな？






今日の俺はご機嫌なんてもんじゃない。






だって、夢に彼女が出てきたんだから。

“ 出てきた ”というよりは、“ 見かけた ”という方が正解かな。






駅で彼女に似た女の子を見かけて、探している途中に目が覚めた。






夢の中では結局見つけられなかったけど、俺は絶対に彼女を見つけ出す。

そして、名前を聞くんだ。






俺は仕事が終わると、足早であの駅へと向かった。






日「確かこの辺で見かけたんだけどなぁ…」






夢を思い出しながら、駅の中をぐるぐると探し回ったけど、彼女の姿は見当たらない。






日「まずいな…そろそろ次の仕事が…」






次の仕事の時間が迫っている。






スマホで時間を確認しながら、俺は少しずつ焦りを感じていた。






夢でも会えなかったってことは、やっぱり現実でも会えないのかな…。






諦めて、帰ろうとしたその時だった。






日「……ん？あれは、」






制服を着た女の子が目に入った。






間違いない、あの子だ。






…しかし、一緒にいる男は誰だ？

もしかして…彼氏？






2人に少し近づいて会話を盗み聞きした。






『いえ、もう少しすれば来るので…』






「えー？約束すっぽかすようなやつ放っといて、俺と遊ぼ？」






会話の内容と彼女の困った様子から、俺は察した。






気がつくと、俺の足は彼女の元へと進んでいた。

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