夢でキミと会えたら…

29 日高side ページ29

29《日高side》






日「……でも、好きになったらまずいよな」






末「なんで？」






日「だって、その子と会っているところがもし週刊誌にでも撮られたら、」






末「俺たちに迷惑かけるとか考えてる？」






日「…まぁ」






考えていたことを言い当てられて、思わず言いよどむ。






末「日高の人生なんだから、周りの俺たちは関係ねぇよ」







日「でも…」







末「むしろ、そうやって悩んでますオーラ出される方が迷惑だって」






日「悩んでますオーラ…？」






表には出さないようにしていたけど、やっぱり長い間一緒にいると、分かってしまうものなのか。







日「でも、ファンの子達はどう思うかな」







末「日高が真剣に恋愛するなら、応援してくれると思うけどな」






日「そう、かな？」






末「何回も夢に見るほど好きなんだろ、その子のこと」






日「…」






好きなんだろ、と言われて素直に頷けないのは、まだ俺の中に迷いがあるから。






末「…そんな運命みたいな出会い、一生に一度あるかないかだろ」







日「運命…」






末「日高の好きなようにしたらいいよ」






秀太の言葉に、心にあったモヤモヤしたものが一気に消え去った。

俺は、少し考えすぎていたようだ。






日「…ありがとな、秀太」






末「別に、何もしとらん。…頑張れよ」






秀太は去り際にそう呟いた。






…そういえば俺、まだあの子の名前を聞いていない。

次会えたら、名前を聞こう。






次に彼女の夢を見るのは、いつだろう。

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