【鬼滅の刃】冨岡の妹がだいぶ冨岡。

25話 ページ25

「ん？Aだ！Aも義勇さんに会いに来たのか？」


「うん」






私がそう言うと、パッと顔が明るくなる炭治郎。






「そうか！きっとまた仲良くなれるよ」



そんな気がする、と根拠のない激励をもらった。








「別に、元々そんな仲良くない…」






仲の良し悪しの基準は定かではないが、炭治郎と禰豆子を見ていると苦しい。



本当の姉妹じゃないのに、笑い合っている胡蝶さんたちを見るのは胸がチクチクした。



虐げられても兄を想う玄弥を見て自分が嫌になった。









「そうなのか…」


「兄さんに会いに来たのも任務だから。」








話を聞いている限り稽古に参加させれば良さそうだし、まぁ炭治郎もいるし…







「俺も4日間義勇さんに付き纏っているんだが…なかなか話してくれなくて」


「…そう」





やばいなって思った。


こんな眩しい人に4日も付き纏われたら私ならノイローゼになる。









「いた…」


「本当だ、義勇さーん！！」





初めて見る屋敷で兄を見つけた。



蔦子姉さんと錆兎の羽織に身を包める兄を。








「………」









「義勇さん、あの」

「水柱稽古に参加してください。」





目線を下げながらそう言った。



恋柱より前に水柱稽古を組み込めば私に会わなくて済むだろうし、お館様の頼みだし、









そう言い訳を探していると、私の目を見てピシャリと一言告げられた。






「お前と話すことはない。」


「………」





私だって、自分の希望でここに来ていない。









「Aは柱稽古の途中で来てくれたみたいです、義勇さんに会いに！」




「俺はお前に会いたくない。」







その言葉が、答えじゃん。





分かってたのに、改めて突き放されると…すごく痛い。









「わたし、だって…」


「帰れ。」








言い返したいのに、きっと時透に同じことを言われたら言い返せるのに、



口が震えるから言葉が出てこない。








「私だって…兄さんのことなんて…」


「A、違うんだきっと義勇さんは…」







そしてやっと出た言葉。





「大っ嫌い…っ」




その一言と情けない涙だけ。









そんなこと思っていないの、自分が一番わかってるのに。



もっと素直にならなきゃいけないと分かっているのに、意地ばっかり張って大事な言葉の代わりに涙しか出ない。





_





_





(違うんだA、義勇さんは…)




(こんな苦しい匂いしてるのに、)




(どうして二人ともすれ違ってしまうんだ)

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