【鬼滅の刃】冨岡の妹がだいぶ冨岡。

44話 ページ44

兄とすれ違ったことを、人生の悲劇だと決めつけた。




自分が不幸だと思い込んでいた。




誰かへの八つ当たりの原因にした。









「壱ノ型 水面斬り」









私は、ここ最近沢山泣いた、たくさんわがまま言った、沢山八つ当たりした、沢山酷いこと言った。





お兄ちゃんは酷いことをされたかもしれない、裏切られたかもしれない、約束を守ってくれなかった。









「便利な血鬼術だなぁ」






それでも、そんな事より愛された時間の方がずっと長いじゃない。




いつだって側にいてくれたのはお兄ちゃんだったよ。




これからも、そうであるために。









「水の呼吸 捌ノ型 滝壷…！」





すれ違ってしまった時間を、4年間かけて取り戻したいから。









「俺も負けてらんねーぜ！！」









「あぁぁじいちゃんっ、頼む、俺の背中を蹴飛ばすてくれ！！」


「あ、うん良いよ」


「い”ッッ、あんたに頼んでないんですが！？てか加減してくれます！？」









お前俺のじいちゃんかよ！？とブチギレられたがそれで戦力になるならなんでも良い。



夜明けまで近いことは無惨も気づいている、向こうに侍心なんてあるわけないから逃げられる。









目の前が真っ暗で、今でも怖くて堪らない。





いつもの倍、死ぬかもしれないと痛感させられる。





傷口が疼いて動きづらいの。








「痛むか」



「うん、」








それでも、今の私が一番強い。



里の時より、昨日より、さっきより。









「大丈夫だ、側にいる。」


「……うん」








死にたくない理由がやっと明瞭となった今が、



見ないフリをしていた理由にやっと目を向けて、









「水の呼吸 生生流転、打ち潮、雫波紋突き」






「スゲェ…無惨が押されてる！」

「い、いける！！」

「柱同等か…今はそれ以上だろ」





お互い、息する間もないくらい押してやる。









「日の出が近いからと体力を使い切るな馬鹿め。」


「…大丈夫。」








身体中が熱くて刀を持つ腕が震えた。



心音が自分の耳に届いた。









あぁ、やっと、やっとだ。









「…待たせた。」





一度発現している身なのに、本戦で時間かけすぎたよね。








「随分可愛らしい痣じゃねェかよォ」


「風車に言わても…」

「あ“？」








今まで活躍してない分、しっかり取り戻すから。









「カッコ良すぎじゃん主人公かよアイツ！！」


「勝てる気がするぜ…！」


「Aの痣は心強いッ」


「安心感が凄い…」

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