14話 ページ14
「間合いに入ったら足手まといになるのが目に見える…」
分かってるなら入ってこないでね、と炭治郎達に念を送って刀を一振りした。
つい白熱して忘れてしまっていた、刀鍛冶の里に来た理由。
「あ、」
刀が脆くなってるから直しにきてたんだった。
「刀が折れるなんぞ惨めな事よ」
「……」←ぐうの音も出ない
持ち手の部分から伸びた刃があまりにも短く使い物になりそうにないので地面に置いた。
「戦意喪失か?」
「ううん」
あるよ、戦う気。
あるよ、余力。
「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮」
「折れた方の刀を素手で…!?」
刀を直で握りしめているせいで掌に刀が食い込んできて痛かった。
でも強く握らないと首斬れないし。
「なんていう戦闘への貪欲さよ…!!」
「……痛い」
「Aもうやめてくれ俺が居た堪れない!!」
痛いなぁ、と眉を下げてションボリ背を向ければ炭治郎が泣きながら駆け寄ってきた。
「もう良いんだA!あとは俺たちがなんとかするから!!」
「……」
「頑張ったなぁA!」←圧倒的長男
偉いぞ、と同情の涙を流して手拭いを掌に巻きつけてくれる炭治郎。(短期間で芽生えた親心持ち)
「……それは、後で言って」
生き残って、上弦を倒してから言うこと。
それに既に手負い(私より重傷)の炭治郎に言われたくない。
「私が倒す。下がって」
勝つまで負けじゃない、刀が無くても日の出まで持ち堪えれば私が勝てる。
「でもA…」
「消耗戦に持ち込む」
圧倒的に間合いは近づくし、攻撃を捌ききれない、刀を握る力が弱いから斬撃も弱い。
「血鬼術、」
「水の呼吸 漆ノ型、」
でも勝たなきゃ、
諦めたら錆兎に怒られる、
戦うのをやめたら真菰に説教される、
鱗滝さんを失望させるな、
「無間業樹」
「雫波紋突き」
そうだよ、みんなに顔も見せに行っていない、生きなくちゃ。
呼吸を極めて勝たなくちゃ。
「水の呼吸…」
兄さんならこれくらい、倒せるはずだから。
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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時