30話 ページ30
「うっ…ひぃぃ…」
「泣きすぎて干からびそうだぜこの女」
「むしろ不憫だなぁ…」
「うるさいよ鬼！！」
ブンブン刀を振り回してなんとか頸を斬ると、しのぶの声がした。
カナヲの叫び声もする。
「待ってな、今助けられに行くから…！」
陸上選手の如く全速力で声のする方へ一直線に走り込んだ。
ルンルンで扉を開けるともう地獄かと思ったよね、激戦が繰り広げられていて。
「あれ？また女の子だ。凄い泣き顔だね…大丈夫？」
心配そうに首を傾げられて、私はぶわっと効果音がつきそうなほどに涙を流した。
私の涙は底無しか。
「や、優しいぃぃ…」
「何か辛いことがあったんだね、こちらへおいで。話を聞いてあげるよ」
「話聞くだけかよ」
具体的な解決案を求めてるんだよこっちは。
話したところで楽にならないんだよ鬼殺隊の辛さと友達の厳しさはさぁ…ッ
「っていうか伊之助もいるじゃん、カナヲも大丈夫？」
プルプル震える二人にオロオロと私も手を空回りさせてそう聞いた。
「師範が、」
「そうだ、私はしのぶに助けられに来たの」
「死んだんだよ、あいつに…殺されたんだよ！！」
ピシッと上辺だけ優しいやつを指差す伊之助の腕を伝って視線を移し首を傾げた。
「しのぶが？」
「うん、吸収してあげたよ。よく頑張ったよね、偉いよ」
屈託のない笑顔を見せる彼には、本当に悪意なんて感じ取れなくて。
「この、周りに散らかってる死体も…」
「うん、痛くないように殺してあげたよ」
「嘘だろおい」
訳わからないくらい怖くて、死ぬ覚悟しなきゃだけど、またみっともなく体が震える。
しのぶが死んだ。
しのぶが殺された。
しのぶ、しのぶが。
「可哀想に…この子はもうダメだね。恐怖で体が硬直しちゃってる」
「しっかりしろA！！」
「Aさん！！」
しっかりしなきゃ。
「うっ…」
「無理しなくて良いよ。すぐ楽にしてあげるからね」
ずっと望んでた楽に死ぬ事が、いざ目睫に迫ると息が詰まった。
しのぶ、しのぶ、
「柱が上手く散らばったみたいだけど…俺は特別気張らなくて良いみたいだね」
_
しのぶ
_
「………」
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○○(プロフ) - とっっても感動しました(;_;)めっちゃ泣きました。ハッピーエンドでほんとに良かったですぅぅぅぅぅぅ՞߹ - ߹՞こんな神作品をありがとうございます！ (2月7日 15時) (
レス) @page50 id: 440a20ffd9 (このIDを非表示/違反報告)
バター - 死んじゃったからBADENDだと思ったけど大切な人守って転生させてHappyENDなの好き🥹💗💗 (11月4日 17時) (レス) @page50 id: 71e3afebe3 (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - 死んだ＝バッドエンドとか悲しい展開のお話じゃなくて、家族愛で友人愛で大切なものを守ろうとして戦う姿かっこよすぎて泣きながら小説読んでましたぁ……まだ止まりそうにもないですありがとうございます…… (8月25日 9時) (レス) @page50 id: 046abef528 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん - 大体無惨戦で死んじゃう子はバッドエンドになるけどちゃんとハッピーエンドだったし泣きながらギャグに大爆笑するというカオスなことになりました！（ 素敵な作品をありがとうございました！！ (7月18日 22時) (レス) @page50 id: 6563dca116 (このIDを非表示/違反報告)
茶々葉(プロフ) - 素敵すぎるぅぅ……この作品と出会えてよかったです (2022年11月27日 12時) (レス) @page50 id: 9bb2c58fa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だむい
| 作成日時：2020年5月16日 0時
