34話 ページ34
「無惨に集ってきた鬼は?」
「瓔珞Aが対処しました。」
無惨なら自身の復活のため同類でも食い散らかすだろう、無惨の元へ移動を開始した第一陣と二陣に備えて一人で全て相手したのか。
「Aの周囲に他の隊士は?」
「いません。隊士たちの第一陣の到着はもう少し。」
「冨岡義勇、竈門炭治郎も逆側です。」
一人で無惨の相手をする事は得策じゃねぇことはAも承知してるはず…、つーか隊士を無惨の元に連れてくるのは正解なのか。
「A、鴉から受け取った札で視覚を連結するように。戦力が集まるまで待機してくれ」
『…珠世さんが、持ちません』
「ダメだ、一人で行くな。すぐに柱を向かわせる」
『……御意』
眉間のシワを寄せて悔しそうなAから、視覚が共有された。
「……Aのやつ」
そうだよな。不安だよな、悔しいよな、寂しいよな。
Aから共有された視界が、微かにに揺れるもので、俺は心臓が抉られたような気分になった。
_
「時透無一郎、不死川玄弥、両隊員が上弦の壱と対峙しました。」
どうかここで時透が死なないようにと、俺は生まれて初めて神に祈り事をした。
どんな捻くれた神が存在したって、ここで殺してくれるな。
『ぐッ……霞の呼吸 移流斬りッ、ごめんA…ごめん』
”手を繋ぐって約束したのに、ごめん“
左腕を斬られた時透の唇は、Aへの謝罪の言葉を述べるように動いた。
なんでだよ、なんでこうなるんだよ。
「不死川実弥、悲鳴嶼行冥、両隊員が加わりました。」
「そのようだね」
時透は、腕を切断された上に肩を貫通する程に刺された。
すぐに止血しねぇといけねぇが相手は上弦。
「…想像したくもねぇ。」
先に何があるかなんて。
悲鳴嶼さんと不死川が加わっても圧倒的に劣勢で、相手が派手に強すぎる。
「き、輝利哉様…他の柱を向かわせますか」
「冨岡義勇、竈門炭治郎、瓔珞Aは向かえます。」
「…いや、義勇も炭治郎もAの元へ向かうように。」
それが最善なのは承知してるけどよ、
「上弦の壱は、行冥と実弥、無一郎と玄弥の四人が必ず倒す。」
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『無一郎君…』
待ってる人間も、相当辛いよな。
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べにてゃ - スゥー好きです🫶 (4月29日 14時) (レス) @page50 id: 3804c55305 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - ほんとに情緒不安定っす…。泣きました、めっちゃよかった。こんな素敵な作品作ってくれてありがとうございます! (2月28日 18時) (レス) id: d48b66107c (このIDを非表示/違反報告)
めんぼー(プロフ) - もうガチ好き。愛してるレベルで好き。神か?これは神なのか? (11月18日 23時) (レス) @page50 id: a4d4cab34b (このIDを非表示/違反報告)
りず - ほんとすきこのしょうせつ。にやにやしすぎたわ…!もう最高!前世のの話してるシーンとかとくに! (11月18日 22時) (レス) @page50 id: 804a1b86af (このIDを非表示/違反報告)
せりりん - ギャグ要素もありながらキュンキュンするし感動するし感情の起伏が激しすぎて肝臓がやられちゃいました(?) 完結おめでとうございます、そして素敵な作品をありがとうございました! (7月18日 20時) (レス) @page50 id: 6563dca116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月22日 23時